ある若者と色ボケ娘たち 8
「ヤバいの?このモンスター、ねぇ、グレイシャ―、どうしようっ」
シリアスな表情を感じたのか、ジュエルはグレイシャ―の腕にしがみついた。
「うん・・・・・・」
どくん。
グレイシャ―の中で何かが騒ぎ出す。グレイシャ―の心の中の虎が吼え猛る。
そこに、声をかける者があった。
「おーいっ!そこの剣士のお兄さんたちっ」
「ん?」
後ろを振り返ると、そこには1人の金髪のエルフがいた。
「そこ..どいてっ!!」
「えっ!?」
何をするのかはわからないが、とにかく言われた通りにグレイシャーはジュエルを連れてエルフの後ろへと退避する
「行くぞっ!!」
巨大な大剣を持っており、それを地面に引きずりながら走ってきているうちに、大剣は赤熱化した後にエネルギーが集中し光っていき...
「はああああっ!!」
巨大な光の剣となり、それを大きく上に掲げ一気に力強く下に振り下ろす
すると周りのサーベルコングたちは一気に吹き飛び倒れていく
「うおおおっ!!」
「ひゃああっ!」
その衝撃波で周囲に風が巻き起こり、飛ばされそうになるがなんとか堪えており
「ふぅっ..大丈夫だった?」
風が収まると、エルフの女性はグレイシャー達の方へと歩み寄る
「え?あ、ああ..」
「す、凄かった...」
ジュエルは思わず口がぽかんと空いていた
「無事ならよかったわ」
「うぉっ..すげ..」
そのエルフの女性は身長は175cm程で、2人よりも高く、そして爆乳でデカ尻だった、それを見たグレイシャーは思わず釘付けになってしまう
「ふふっ、どうしたの?」
「あっ!いやなんでもないです!」
先ほどの武道家の少女が、金髪のエルフを見ていた。
「どんなに凄いのよあなた……」
「獲物を横取りしちゃったね、ごめん」
グレイシャ―達も彼女のエルフとも思えないような大力に驚嘆したが、それは武道家の少女も同じだったようだ。だがその驚嘆を破る声。
「おーい、しゃべってないで手伝ってくれ!!」
「僕たちか!?」
「そうだ!こっちもやばい、手伝ってくれ!」
とこちらに大声で呼ぶ者がいる。
見れば、そちらでは別のサーベルコング3体、それもさっきのより大きな個体が暴れていて、街の兵士達と戦っている。
部隊長と思しき人物が叫んでいるのだ。
「わかった!!」
そう叫んだグレイシャ―は、今度はジュエルに言った。
「やるよ。僕があの1体を正面攻撃するから、ジュエルは背後に回りこんで奴の延髄を。哺乳類型だからそれで死ぬはずだ。その間にお姉さんは別の1体を!」
グレイシャ―は、兵士達と遣り合っているサーベルコングたちの横をすり抜けるように前進してくる1体を指し示して言った。