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仕えるミノタウロス
官能リレー小説 - ファンタジー系

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仕えるミノタウロス 2

なんだか変な場所だなあと思いながらも俺は別荘に入る。
廊下は長く、奥が見えない。綺麗な装飾もなく、まるで作りかけの建物のようだ。
不吉な予感はしたがなぜか俺は興奮してきていた。野生の勘だろうか。
突き当たりの部屋に入ると主人が待っていた。
その周りにはミノタウロスが集められていた。屋敷では見たこともない者ばかりだ、恐らくは今日連れてこられた者ばかりだろう。
誰もが初対面なのだが自己紹介をしていられる雰囲気ではない。なんとなく空気が重い。
それにどの個体も必要最低限の着衣しか身に付けていない。
(こんなところで何するんだ?)
俺は疑問を顔に出さぬよう努めながらそう思った。
「よくぞ参った、選ばれし者たちよ」
「「!?」」
主人がいきなりそんなことを言い出した。俺たちは何がなんだかわからず黙って聞いていた。
魔物は差別されている。特に牛頭の俺らみたいなのは使い潰してもいいような力仕事に回されることが多い。
そんな俺らが選ばれた者とは。主人は魔物に対しても親切で優遇をしてくれるが、それでもこの発言は異様に思えた。
そして次の瞬間。
「ぐあああっ!!」
「ぎゃああああ!」
「ぎええええええええ!!」
「うおおおおおおっ!!」
突然、部屋中に叫び声が響き渡った。何事かと思って見回すと周りの連中が頭を両手で抱えて苦しんでいるではないか。
(な、なんだ!?)
俺は驚いて目を白黒させた。
一体何が起こったのか。
俺だけ無事だった。
(なんで俺だけ平気なんだ?)
不思議に思ってると、頭の中で何かが聞こえる。
『選ばれし者は…………』
やがて、部屋の中にいる俺と主人を除く全員の顔つきが変わった。さっきまでとは別人のようだ。目はうつろで顔は赤く火照っている。息遣いも荒い。
(いったい何が?)
俺だけが無事なのはどういうわけなのか?

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