PiPi's World 投稿小説

船に乗り込んだ獣性
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 6
 8
の最後へ

船に乗り込んだ獣性 8

噴き出す液体は妙にドロリとしているように見えた。なんとなく海の魔物の透き通った胴体を連想させる。
「うわぁ!なんだこれ!」
ねっとりとした液体を浴びせられた水夫達が部屋の中を右往左往するが、密室に逃げ場はない。ジェル状の液体で転げ回る者すらいた。
「おいおい……アイツらは一般人で、帰りの操船も頼まにゃならないんだが?」
ガレスは困惑を滲ませながら、周囲の兵士に愚痴をこぼす。
だが彼女らも「上からの指示ですので」と対応に困ってるらしかった。
ただちょっと珍しい魔物と交流を持っただけのはずが、碌でもない事態に巻き込まれてるのかもしれないと、ガレスは冷や汗を流していた。
そのうち、ガラスが内側からピンクに染まりはじめ中が見えにくくなってきた。
ガレスの位置からは微かに動き回る人影が見えるだけで何がなんだかわからない。
「あいつらはどうなったんだ?動いてるのは見えるが…」
ガレスは彼等がどうなるか気になった。
彼等に何かあれば帰りがどうなるかわからないからだ。
「よくわかりませんね。少なくとも死ぬようなことはないと思いますよ」
隣の女性兵士はひどく他人事のような言い方をした。
そうこうしているうちにガラスの向こうのピンク色は濃くなり、動いていた影も見えなくなってきた。
水夫の男達がどうなったか、それがガレス達に見えなかったのは幸運だったのかもしれない。
中央の噴水からドピュドピュと放たれたピンク色の流動体は紐のように変形し、水夫の四肢に絡み付いていく。
ゴムのようなそれは彼等を宙に浮かせた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す