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船に乗り込んだ獣性
官能リレー小説 - ファンタジー系

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船に乗り込んだ獣性 6

「やれやれ、やっと居なくなったか」
ガレスが後ろを見ながら言う。
そして、水兵達と共にある施設に入る。そこでは魔物に関する研究を行っており、ガレスは水夫達が魔物に誘惑されていく様子を記録した書類を提出した。
水夫達を引き離したのはそのためだった。水夫の行為を常時観察していたと知られれば後々厄介だ。
水夫との行為を記録した書類が、壁に張り付いた機械の中に吸い込まれていく。
ガレスはこんな機械を見たことがなかった。
その目の前の謎の機械が書類を吐き出し、更にまた紙を出した。
「その水夫達を全員集め、船を指定されたポイントに移動させること。そこで新たな記録をとります」
ガレスは追加された仕事に奇妙なものを感じながらも、船に戻って水夫が戻るまで待機する。
新たな指示のみを優先するなら、水夫らの半数が戻った時点で船を移動させるべきだ。
だがそうした場合ただでさえ指示が通り辛くなっている彼らは、帰りの操船を拒否するかも知れない。
本国の海軍といえど辺境であるここ、バイドラー諸島で新たに水夫を確保し直すのは難しい。
その為ガレスらは水夫全員の休暇が一段落着くまで、諸島の行政府の人間と視察の予定を詰めながら待つこととなったのだ。

航海中に消費した食料や日常品を補給し終え、水夫らも満足したように船室に変えてきた頃。
役人らを見送ったガレスは、水兵たちに指示を出し指定されたポイントに船を向かわせた。
海の魔物の美女はあれで満足したのか乗り込んでくることはなかった。
ガレスは「あの魔物は問題なく人語を喋ることが出来るのだから、わざわざ書類にせずとも直接彼女から話を聞き出せばいいのに」と思う。
やはり魔物と直接会話をするよりかは第三者の客観的な記録の方が信頼できるのだろうか?
なんとなくうさんくさいものを感じながらもガレスは船を進める。
指定されたポイントには目立つものは無いように見えた。
港から離れた断崖にぽっかりと空いた洞窟で、少し入るのが大変そうだがこの遠洋警備船でも何とか進める広さがある。
入り口付近は天然の岩肌といった様子だったが、暗闇を何とか進むうちに松明の掛かった人工の壁に変わっていった。
「おいおい、まるで秘密基地だな。軍か国の施設か? まさかバイドラー諸島の連中の独断じゃ無いだろうな」
初日の夜からいきなり視察での厄ネタか、と面倒くさい事態に辟易としてしまう。
船長と水兵たちに慎重に頼むと命令すると、指示されたポイントを求めて奥へと向かった。

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