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船に乗り込んだ獣性
官能リレー小説 - ファンタジー系

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船に乗り込んだ獣性 5

「何にしても、これ以上彼らから精を搾取させるわけにはいかない。君は乱獲をしてしまったんだ。
反省しているかどうか、共存できるかどうかはこの後3日間で判断する。
その間、君は一室に拘束させてもらう。信じて欲しいなら、大人しくすることだ」
「ありがとうございます」

彼女が、ぱっと表情を輝かせた。
そうして、彼女は一室に軟禁されることになった。

一応、魚料理で三食提供されていたが、ガレスや見張りの者がいる前で普通に食べていた。
そればかりか水夫たちも彼女に精を吸われなくなると、元の動きを取り戻しだし、2日が過ぎるころには業務はほぼ元に戻っていた。
発散先を無くしたことで少し愚痴をこぼす水夫がいることを除けば、3日目も問題なく過ぎていって、何事もなく4日目を迎えた。
「船長、左舷前方に島が見えます!」
「おう!」

見張り員が叫ぶ。答えた船長が視線を向けた先には、バイドラー諸島を構成するアルビレオ島が見え、その左奥にはミトゥーリ島の姿も見えた。どちらもバイドラー諸島の主要な島で、予定では最初にアルビレオ島に寄港することになっている。
聞きつけてガレスらも甲板に出てきた。
波も穏やかで、すでに彼らの視界内でアルビレオ島は大きくなっていた。

「6番桟橋だ。取舵!」
「とーりかーじ!」

ゆっくりと舵輪が回され、船は島に向かう。既にこの島の最大の港である、モンテの港にさしかかっていた。
慎重な操舵で船は桟橋に接舷し、ラッタルが架けられる。

「何とか無事についたな」
「私も安心しましたよ」
「今回も無事に着けましたな。何よりです」

ガレスも副官も船長も、安堵したやり取りを交わす。

乗り込んできた海の魔物は、ちゃんとした陸地には上がれないらしい。とりあえずは船から下ろされて海に戻っていった。
あの様子ではまた船に上がってきそうではあるが…。
ガレス達は談笑しながら船を降りる。なぜか水夫達もぞろぞろとついてきた。
ガレスの独断で捕らえられている一人の水夫を置き去りに。
「なんであいつらも付いてくるんだ?」
ガレスが副官に聞く。
「わかりませんよ、あいつらが何を考えているのか」
水夫達はまだ露出の多い格好をしていた。水兵の男達はその様子を見て、俺達もあの化け物で楽しみたかったなぁといった不満を漏らし始めた。
残っていた半数の水夫も同じような気持ちだった。とはいえ、船の管理や出港準備もあるから、全員一度に上陸したりはしないのが船乗りだ。
先に上陸した連中は今頃娼館で……と想像して、早く自分たちの番が来ないかと思いつつ仕事をしていた。

そしてガレス達も、わざと歓楽街を通るルートを選んで歩く。
すると水夫連中も、あちこちの娼館や酒場に入って行き、ついてくる者もいなくなった。

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