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Editor king
官能リレー小説 - ファンタジー系

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Editor king 1

「褒美」をいくら与えても、[忠誠]の数値が100にならない登場人物がいる。
評議会の五人の評議員のうちの一人、葛浦伴継の忠誠限界値は45の設定となっていた。
年齢は三十五歳。十五歳となり登場して二十年の間に三度仕えている主君を変えている男である。
領土を奪い合う戦で捕縛されて処刑される人物は多いが、葛浦伴継は[知略]の能力がAランク、つまり、100〜120の数値であるためか処刑されずに生き残っている。
[統率]はEランクの1〜20なのだが、攻め込まれて空き城にならないように留守番として城内にほぼ待機状態で兵を与えられている。
[忠誠]の数値が低いが[知略]はAランクのために敵軍の将兵が「説得」してくる。
「私についてきてくれている配下の者たちの命を、むざむざ散らすことはできぬではないか」
とあっさり寝返り城が陥落することで、兵の士気が低下して不利になった戦局を覆すことができずに敗れて、戦死する兵たちや捕らわれて敵軍に処刑される将兵もいる。
もともと城に籠城して戦えば、城は砦や柵などよりも強固で少ない兵数でも、かなりの日数を持ちこたえることができる。城を離れていた援軍が到着すれば城を拠点として有利な戦の展開ができる。
葛浦伴継の寝返りで敗れた将兵の身内の後継者からは、仇敵として恨まれている。
それでも現在五国を支配している和泉家の他家の領土に隣接していない内地に駐在して諜報や謀略などの指揮などを行っており、評議の五人の一人としての生き残ってのさばっている。
葛浦伴継は知らなかったが、あと一年で設定された寿命で病死する人物であった。
Aランク将兵はSランク将兵と同様に、全体的に少ない。
忠誠限界値が低く、さらに「野望」の数値が高い人物は、一定期間で定期的に褒美を与えつつ[婚姻]などで主君の身内にしておかなければ、離反して独立したり、出奔して他家に仕えたりする。
和泉家の姫は、葛浦伴継ではなく若いが[統率]と[政治]がやや高めの将兵である吉野政弘のもとへ嫁いだ。
他家の将兵へ嫁ぐ姫も多いが、これは和泉家当主である和泉豪正が美しい愛娘を溺愛していて、他家との関係の親密のために手元から離したくなかったからだろうと家中ではもっぱらの噂であった。
「姫を吉野家の孺子に与えるとは、和泉殿も人を見る目がない」
と葛浦伴継は人に会うとぼやいていた。
吉野政弘の「相性」は50、葛浦伴継の「相性」は0である。「相性」は0〜100で分けられており、その差が大きいほど、反りが合わない。
まして、吉野政弘は忠誠限界は100、「野望」は10と典型的な忠誠心の高い人物で、葛浦伴継の真逆のような将兵であった。

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