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孕ませコロシアム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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孕ませコロシアム 10

武器は手持ちの剣が一振りのみ。
元町娘のソーニャが魔法を使えるわけもなく、倒すのに相応の時間がかかるのは必至であった。

ここでラフレシアについて詳しく説明しておこう。
植物系モンスターのためその場から移動はなく、高さも膝までしかない。しかし中央の大きな花を中心に半径3mを葉と触手が埋め尽くしている。

これだけ聞くと簡単そうに聞こえるが、花に向かって動く者、自身の上に影が差すとそれに向かって触手を総動員する習性があるのだ。
そして触手にも種類がある。
一番外側のソレは触手の中で糸のように細く絡まってもすぐさま引きちぎる事が出来るほどのものだ。

だからこそソーニャは無警戒に中心に向けて足を進める。
冒険者や兵士たちはこれから起こるであろうことを予想し厭らしい笑みを浮かべるのであった。
もう二歩というところまで近づいたその時。
ソーニャは不自然に動きを止めた。

「えっ、何?今の?」

自分の体、特に両手首に違和感があったらしく剣を持ったまま両手首に視線を落とすと、メイド服の袖の宝石が赤く光っていた。

「止まんじゃねーぞー!」
「ソーニャ選手、どうした事か動きを止めました!何か戸惑っているようです!」


「あれは…警報機能付の魔法防御ね?」
「あっさり捕獲されても場が十分に盛り上がらないからね。ちょっと奢ってあげたのさ」

ソーニャは宝石の放つ赤い光に危機感を覚え、本能のままに一歩後ずさった。
結果としてソーニャ自身が傷つくことはなかった。

先ほどまでソーニャが立っていた場所から一本の触手が伸びていた。

「出た〜!ラフレシアの鋼刃の触手!!数多ある触手の内のたった一本しかない唯一の直接攻撃武器だ〜。しか〜しその一撃をソーニャ選手見事に回避〜。偶然でしょうかね〜、だがソーニャ選手のメイド服、下からの突然の攻撃の大きく引き裂かれ大事な割れ目がばっちりと見られます。そしてその瞬間に沸き起こる飢えた男の咆哮。ソーニャ選手涙目です」

ソーニャは羞恥で耳まで赤くし足が止まっていた。その間にラフレシアの鋼刃は再び葉の下へと隠れ、ラフレシアは習性に従い次の行動へと移っていく。
『見られた、見られた、見られた・・・』
『今の何?鋼刃?私がさっきまで居たとこから出てきたよね、アレ。もし、下がってなかったら今頃あたし・・・』

観衆に局部を見られた羞恥と直前に起こった事実に混乱するソーニャだが眼前に迫った死の恐怖がようやく時間とともに実感として伝わり先ほどとは違った震えが襲っていた。

しかしソーニャは勘違いをしていた。
鋼刃が万能なら今震えて無防備なソーニャを放っておくわけがない。
つまり弱点があるのだ。そしてそれはずばり、射程の短さだ。
ソ−ニャが今いる場所こそが鋼刃がギリギリ届かない地点なのである。
何度でも言うがラフレシアは動物ではなく植物である。
ラフレシアからすればソーニャは外側の触手を苦も無く引きちぎりながら中心に向けて向かってくる”動物”であり”敵”である。鋼刃の範囲内に侵入したため迎撃を行っただけである。
そしてソーニャの一番の間違いはその場に止まり続けた事である。

もしその時態勢を立て直すために下がっていたら、恐怖に打ち勝ち前へと進みラフレシアの花の根元にその手に持つ刃を突き立てていたら・・・。
だがその判断を下すにはソーニャは知識も経験もなくあまりにも遅かった。

再び防御魔術による警告が発せられていたにもかかわらず彼女は気付かなかった。

だからこそ呆気ないほど簡単に彼女は籠の中の鳥となった。
2mを超す触手の壁がぐるりと周りを囲む。上には空が開けてはいるが翼持たぬに身は脱出は不可能であった。
突然の壁の出現に呆けていると今度は自分の足元を狙って触手が伸びてくる。
迫りくる触手は外側の糸みたいな触手とは違い剣を使って巻き付く端から切り払わなけらば退けられなかった。
しかしそんな均衡はすぐに傾く。

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