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淫魔剣トリス
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫魔剣トリス 2

「どうしてトリスは俺を主に選んだんだ?」
「ローラン様?」
目の前でスープを飲んでいたトリスに訊ねると、顔を上げて?って顔で聞き返してきた。
「文字通りの意味だよ。お前は他の男が鞘から抜こうとしても誰も抜けなかった。魔剣は主を選ぶって聞いてるが、どうして俺を選んだのかって事だよ」
「それは…剣も人柄もお顔も優れておられますから」
微妙な間があった。でもそれだけならいろいろな奴が彼女を抜こうとしていたから誰かが抜いていただろう。
すでにあらかた盗掘されつくしたあの遺跡で、鞘ごと巨石に突き刺さり誰も抜けなかったので最後まで残っていた一振りの剣。
俺が抜くと不思議にするすると抜けて、そのままこの女の子の姿になった。
「お前たち魔剣がどうやって生まれたのか、俺が知らないとでも思っているのか?」
「私は物心ついた時にはもう、魔剣でしたよ?」
付与魔術師と使役魔術師が手を組んで、自分達が捕らえ従えていた魔族を剣に封じたらしいんだ。
魔力などのエネルギーは異性間で受け渡しするほうが効率がいいから、ルイーズやタチバナ家に伝わるガルドなど、トリスも含めて魔剣は基本的に女なんだろうと言われてる。
「嘘つけ」
「あ痛っ!」
デコピン一発入れてやった。
おでこを押さえて涙目になってる。
…やべっ、可愛いじゃないか。
「ところで、どうしてお前さんはメイド姿なんだ?」
実はこいつ、実体化した時からメイド姿なのだ。
食堂でこの格好だから昨日はウェイトレスと間違われて尻を触られ、客と悶着を起こしてた。
「えへっ、可愛いでしょう?」
ちょっとあざとい気もするが、可愛いのは事実だ。
「俺が聞いてるのは理由だ。そんな格好してると犯されるぞ?」
「ご主人様の趣味です。…もっと犯してくださってもいいんですよ?」
ぽっと顔を赤らめるトリス。
……あー……
「俺はそんな趣味はねえっ!」
女嫌いでも女性恐怖症でも無いが少なくとも強姦する趣味は無い。
「ローラン様ではなくてご主人様です」
そこでようやく俺は彼女が昔のことを言っていると気がついた。
「前のか?」
「はい!」
「強姦魔だったのか?」
「私は強姦された事は無いですよ。この衣装です」
その衣装は前の持ち主の趣味だったか。
ある意味偉いっちゃ偉いな。
トリスは言いつつ、その立派な胸元が深く開いたエプロンドレスの生地をつまむ。
見事な谷間が見えていて、前留めを外すだけでパイズリができるのは役得ってか有難いがな。
「まあその、なんだ。しばらくはその衣装で」
この腹ペコ剣のおかげで食費がかなり多くなった。しがない冒険者の俺は衣装に回すお金は正直少ない。
女の子一人食べさせられないなんて情けない事になるつもりもないが、稼ぎを増やさないとこいつに俺の財布を食い尽くされそうではある。
それに…その、なんだ。女が男に仕える以上は性的な事も当然含まれるわけで…
「はぁいトリスちゃん、生姜焼きよ〜。あらローラン、何にやけてるのよ?何かエッチな事でも考えてた?」
「モニク!?」
なんてタイミングだ。心臓に悪い。
「わぁい!」
俺の内心を知ってか知らずか、トリスは目の前の生姜焼きに喜んでぱくついている。

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