PiPi's World 投稿小説

ほぼ裸の国
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 3
 5
の最後へ

ほぼ裸の国 5

 この、自らも裸になって洗ってくれる侍女たちが、この宮殿で会う人の中でルシエラ以外では唯一性的にそそるものがあったのだか、たいていルシエラと一緒の入浴なので手を出すわけにもいかない。

 知的なルシエラと過ごす時間は刺激的で楽しかった。しかし第一王女であり、戦役の実務的な責任者でもあるルシエラは忙しい。ルシエラがいない時間は僕は屈強なゴーカン兵に見張られる中部屋で一人取り残される。
 スマホなんてもちろんないが、本を読むことができた。全く知らない文字で書かれているが、そこに目を向けるとなぜか日本語の文字が浮かび上がるのだ。
 おかげで、僕はゴーカンとその周辺の地理や歴史を少しずつ知っていくことになった。
 “シーラはどうなっただろう?”
 あれから数日、何の情報もない。ルシエラに聞いたら
 「ご安心ください。お元気で役割を果たされていますわ」
 としか言ってくれなかった。
 そんな日々の中、ルシエラは僕に言った。
 「王国との契りを速めるため、学者に男の大量召喚を試みさせていたのですが、このほど成功いたしましたわ」
 「大量。ってどんな感じで?」
 「30人ほど、という報告ですわ。何でも、馬より速く動くからくり箱の中からまとめて、ということなんですの」
 バスの中にいた人ということなのだろうか、と僕は思った。
 そうだとすると、もとの世界ではそのバスはどんな風にあつかわれるのだろう?忽然と消えたのだろうか、または崖から転落して死体も見つからない感じなのだろうか…

 「公一様、聞いておられますか?」
 「あ、ごめんごめん。30人の男を召喚したんだよね」
 「その男たちは、公一様とおなじ髪色、肌の色、ということなんですの。同じ島からいらっしゃったんじゃありませんこと?」
 ルシエラには僕が前に住んでいた日本という島国のことは少しだけ話してある。
 「いや、それはどうかなあ」
 人数比でいえば、圧倒的に大陸から来た可能性が高いと思った。
「この水晶玉でご覧頂けますわよ」
 僕は差し出された水晶玉を、やや躊躇しながら受け取った。それは僕にとっては「召喚」以外でこの世界で初めて見聞きする魔法的なアイテムだった。
 これは!
 僕は食い入るようにその中を覗き込んだ。
 彼らはほぼ揃ってユニフォームを身につけていた。その上に書かれた文字は、アルファベットだが、それは間違いなく日本語の、どこか高校を意味するものだった。
 「そう、彼らは、同じ島々の、多分学校から来た」
 ルシエラはニヤッと笑った。
 「やはり学校からいらっしゃいましたか。彼らには、フェレヌドゥムの、学校に行ってもらおうと思っておりますの」
「学校か。行ってみたいな。でも、その前にシーラに会わせてよ。僕の嫁なんだからさ。」
「顔を見ないと安心できませんか?でも、そういうと思ってもうこちらに呼んでいますよ。」
シーラが僕の顔を見るなり抱きついてきた。
「公一様。ひどい事されたりしませんでしたか?とても心配していたのですよ。」
「ああ、僕は大丈夫。それより、シーラは、どう?ひどいことされてないの?」
「え、ええ、大丈夫ですわ。ロムス様も、ここの皆さんも、と、とっても良くしてくれて」
 シーラの声は震えていた。何か、大丈夫と言わされているのだろうか?
「ルシエラ、シーラと二人きりにしてくれないか?」
「それはなりません」
「なぜ!嫁だぞ!」
「公一様の本来の召喚されたミッションはシーラ王女を妊娠させること、なんです。フェレヌドゥムの召喚プロセスにより、あなたがシーラ王女を妊娠させると自動的にお帰りになられます…もとの世界に。それは困ります。まだまだ、あなたにはやってもらいたいことがあります」


,
の最初へ
 3
 5
の最後へ

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す