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不思議な本
官能リレー小説 - ファンタジー系

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不思議な本 2

ニクスは幼稚としか言いようがなかった。隣国の王女にこのようなことをして、ただで済むわけがない。
ニクスはすぐに兵士達に引きずり倒されてしまう。
それだけではすまなかった、身に付けていた物を次々に剥ぎ取られていく。
「な、何を…」
「このような本で隣国の王女を支配下に置こうとして許されると思うな。宣戦布告だと言われてもおかしくないことをお前はやらかしたのだ」
「どうしてこの本の事を…」
そう言い終わる頃にはニクスは完全に裸になっていた。
ニクスは罠にはめられていた。
こんな無謀な行為を行うような王子だからこそ、どちらの陣営からも厄介者扱いをされていた。ニクスは淫らな取り引きに利用されたのだ。

兵士の一人が本を取り出す。ニクスが図書館で見つけた本に似ていた。
次の瞬間、エミリアの体が崩れるように消えた。
「偽者だったのか…」
ニクスはガックリとその場にへたりこんでしまう。
「隣国の王女が図書館に居ると思ったか」
偽者であろうと、とにかくニクスのした行為は許されることではない。

ニクスのあまりの愚かさに、兵士の間には哀れみの空気すらも広がっていた。
「この本を持って逃げろ」
衛兵はそう言って、ニクスを逃がすことにした。
もはや、ニクスの生死は両国の争いにおいてどうでもいいことだった。
そうして、ニクスは死んだこととなり、出奔することとなる。
しかし、この策謀を立てたエミリアですら知らなかった。
ニクスに持たせた偽の本こそ、女を発情させる媚薬効果を持たせる魔法の本であり、ニクスにはその力を最大限使いこなす才能があったのだ。

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