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2つの世界
官能リレー小説 - ファンタジー系

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2つの世界 4

あっちの世界に行ってから僕はモテるようになっていた。
同じクラスの西山里美さん。校舎裏に呼び出されて告白された。
「あ、あの。私と付き合ってください。」
「え?ぼくでいいの?」
「はい。」
里美は好きだという証拠を見せるために僕にキスをした。
「おっぱい大きいんだね。柔らかい感触が伝わってきたよ。」
「もう、西川君のエッチ。でも、好きです。」

その日は二人で一緒に帰ることとなった。
里美はまじめな美少女で胸も大きいみたいだけど、地味なタイプで親密になるにも共通の話題すらまだない。
「西山って何が趣味?」
「最近だとゲームね。元は外国のなんだけど、割と頭を使うの」
「どんなの?」
「国づくりと戦争。国を発展させて周囲の国と戦って列強の中の一等国を目指すの。実は君主の名前を西川君にしてるの」
「え?俺あっちで王子だし」
「まずバラバラの国を統一して近代化させ、軍備を増強して小国に攻め込んで領土を増やしてまず列強としての地位を盤石に。そこから、シンイチ大王による大陸制覇を目指すの」
「おい!じゃなかった…西山、我が国づくりの手伝いをしてくれるか」
彼女が遊びてやってることが、僕が向こうの国で名君になって私財を貯めて、こっちでも金持ちになるという野望に役立ちそうだ。
すぐ一緒に魔法石であっちに行きたいけど、まずある程度説明して納得させないとただの中二病か痛い人と思われて、協力どころか失恋してしまう。
「つまり、西川君も似たような事をしてるのね」
「ああ、これがその国でも使われてる武器だ。文明レベルの目安になるだろ?」
「ええ、これフリントロックね。刻印や彫刻も見たことないわ」
僕は里美を家に呼んで記念にもらった拳銃を見せる。彼女はそれを手にとって調べる。
「このレベルの銃を少し改良させてるんだ。もっと近代化させるいい知恵はある?」
「もっと基礎的なレベルも上げないと、鉱山での採掘とか医療の底上げ」
「特に象徴的なのは?」
「ニトロとペニシリン…偉大な発明ね。事典に載ってるわ」
「じゃあ、その本持って玄関に行こう」
「えっ!何?」
僕は里美が脳筋やギャルでない事を感謝しつつ、玄関で彼女と靴を履くと手をつないで首の魔法石を握って念じつつドアを開ける。
すると、眩しい光とともにナターリアが言った通りあっちの世界に飛べた。今回は二人なので、うまくいくか心配だったけど、昔のアニメでは一度に三人の女子中学生が召喚されてたから、高校生の男女一組でもうまくいったみたいだ。
「え?え?何ここ!!」
「うまくいったみたいだ。」
ナターリアが着替えてる途中みたいで慌ててぬいだドレスを持って自分の体を隠した。
「きゃあ!!え?で、殿下?、いきなりなんですか!!」
「そっちこそなにしてるの?」
「私は、シャワーを浴び終えたから新しいドレスを着ようとしていたのです!!」
ここはナターリアの部屋らしい。
「なら、失礼した。君は遊んでろ」
「ちょっと、西川君!あの人は?」
「うん、妃だ。僕の設定は、戦争のときに前線で行方不明になったけど、最近帰還した皇太子だ」
「前線って、まるで北方の獅子ですね。西川君は替え玉案ですか?」
「衛兵!」
「殿下!今まで、どちらへ?」
「ああ、教会だ。それと未亡人に施しを。ここにいては見えないものがたくさんある」
僕がむこうにいる間は宮殿では不在なので、理由を作っておく必要がある。ママは未亡人なので、嘘ではない。パパはトラックの運転手で、不摂生な生活態度が原因で病死している。葬儀の時は悲しさよりも、先の不安と事故でなく成人病だったことで不真面目だったと思われないかという気持ちでいっぱいだったのを思い出す。親が二人でも一人でも結局貧乏には変わりない。
「なんて慈悲深い」
「それより、小銃の改良は進んでいるか?広場に小隊を集めるんだ」
「はっ!」
「ねえ、ここってリアル?」
「一言で言えば、異世界さ」
「すごい臨場感!」

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