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勇者が○○○で世界を救う!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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勇者が○○○で世界を救う! 6

化学の進歩は目覚ましい。

如何に効率良く、早く、敵を仕留められるか。

銃弾のために、魔物に近寄る必要がないのだ。

「で?アンタは見てたら危なっかしい私たちの為に協力してくれるってわけかしら。目的はなによ?」

額から青筋が消えない。

「……別に。私より強そうなのが、あの会場にいなかったの。
みんな自慢話や武具や家柄を誇るばかり、聖地にしても魔王にも具体策は出さない。
名誉や立身出世だけで戦うには動機が弱いの。信仰を持って世の中を変えるぐらいの
目的を持たないと…自分以外のために戦えないと窮地の時に頑張れないし、人も着いてこない」

「で、新教はその新しい武器で…何のために戦うの?」

「決まっている。人々を救い、二度と魔物に攻め込まれない国を作るの」

「魔物の支配から解放した地域に商工ギルドが食い込んで支援とともに教化するんですね。
その武器、僕にも…使えますか?」

「これの点火は奇跡が必要…市井人は火縄で着火しないと撃てないの。棒をつけてここに
穴が開いてないと…そもそも、火薬と弾丸は商工ギルドが押さえてる」

アルミラはユニスの思惑を探り、ロキは純粋に彼女の武器に興味を示す。
彼は魔法で敵を転倒させたり動きを制限したり四肢を止めることは出来ても、特に離れた敵にとどめを刺す術を持たないことを自覚していた。
「ここをこうしてはどうですか?」
「それ、とっても斬新なの」

二人は土の上に枝で概念図などを書きあって意気投合していた。作る側でなく使う側の意見がさまざまな改良案となった。

「そんなろくに稽古してない農民や度胸のない女子供でも使える武器、どうでもいいじゃない。もっと、こう…ぶん投げて落っこちたあたりが燃えるみたいなのじゃないと、魔物はひるまないわ」
「それもいいの」

ユニスはアルミラのたわいもない一言も聞き逃さなかった。
最初の村をめぐる戦いでは勇者側の圧勝であった。しかし、戦いで奮わなかった勇者の中には再建や救済に奔走する者もおり、先に進もうとするより装備や仲間を見直そうというパーティーもいた。村人と共同で見張り櫓の建設も始まる。
アルミラたちも村から魔物の影響を一掃しようと、ゴブリンの屍などを集めて村のはずれに掘った穴に埋めたりする。

「次の場所にはこの馬車で向かうの」
「すごい、御者もいる」
「それだけじゃないの、職人と狩人も」
「商工ギルド?新教?」
「両方なの」

村に滞在している間に、ユニスが手紙を村人に託して都市に届けてもらい、快適に移動できるように支援が届いてた。勇者と専門分野は異なるが、三人が戦い以外のことをしてくれるのは心強く見えた。

「ねえ、この丸いの何?」
「この間、話していたのを形にしてもらったの。ここに火をつけて投げると、落ちるころには中の火薬に火が燃え移って爆発して外側を覆っている鉄を撒き散らしたり、燃えやすいものには火がつくの」
「さすが、アルミラさんですね。魔法の知識がないと、ああも簡単に思いつかないところです」
「そりゃあ、使えなくても知識はあるからね」

アルミラは火器には興味なかったが、商工ギルドの開発力を知ったりロキから褒められて悪い気はしなかった。

「投石器ならもっと遠くに飛ばせるね」
「その案、もらうの。お城や集落を守るのに使えそうなの」

ロキの案に、ユニスも賛成する。

「ところで、この後どうするんだい?単にここを守ってても、魔王は倒せないよ」
「私達だけで倒すのも無理なの。だから武器だけでなく、ロキにもほかの魔法も会得して欲しいの」

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