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マッスル・ウィッチ
官能リレー小説 - ファンタジー系

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マッスル・ウィッチ 30

けぱき!ぷごがっ!

ロザンナは自力で脱臼の類を填め直した様子、しかし深夜の城内で衛兵達が見逃すだろうか?
ロザンナにも(一応は)社会的地位があり下手な口封じ等も(あんまし)したくない。

…おぼろぅげぇ〜…ずるびしゃあああ…

「包丁持った娘が睨んでなかったか?」
「ブリッジ姿勢で走る人影が…。」
「セイラー服…。」

衛兵の反応は曖昧ながら常人たる彼等が、断片的でもロザンナの姿を認識しただけで、公国兵の練度は高いといえよう。

ロザンナは魔法少女であり単純な瞬発魔法程度は習得している。
自分の存在を『夜道でよくある不可解な何か』と誤認させる幻術だ。

一応衛兵達は槍を構え周囲をランタンで照らしながら再度巡回するが、もう遅い。
高度な追跡・潜入技術を持つヤンデレを、常人が発見するのは…非常に困難だ。

もしこの持ち場に彼等以上の技量を持つ兵がいたならば…。

用水路まで続く僅かな水滴、水面で揺らぐ両断された朧月ぐらいは、確認出来ただろう…。

茶番が終わり、夜が明ける。

―翌日―

忘れているかも知れないが、アイルの家庭教師として従事するマリー・ユグドラシル。
彼女が書庫で手頃な教材を選んでいた所、来訪者。

忘れていいかも知れないが、実は護衛騎士が本業らしいソニア・グレン・ロッテンハイム。
彼女は複雑な表情で切り出す。

「オバケが出た。」

※ソニアに寄せられた証言

軟体生物が這い摺る様な音、手足の数は不明、蜘蛛と似た動き。
黒く濡れた触手の内側に赤黒く輝きのない眼球らしき物がある。
名状しがたい出刃包丁の様な武器。
ぷにぷに激しく揺れる丸っこい何かが二つ…etc

「それは大変だ護衛騎士殿の権限で迅速に夜間外出の禁止を発令すべきだ!」
「一級魔道士殿の的確な助言でデマの線が濃厚だと理解しできたよありがとう!」

ソニアも膜一枚破っただけで、随分と成長したものである。

「大変だな、護衛騎士というのも。」
「デマが濃厚だからこそ無実を晴らしてやらねばな。」

ソニア自身が殺人未遂の被害者だという事も加害者が逃走中だという事も全く把握していない。
迫るヤンデレお構いなし雌豚全開アヘ顔晒していた為、事件の記憶自体が全くない。

「公子様の証言も取ったのか?」
「オバケどころ今朝がた人魚姫に会ったとか。」

公子の証言によると庭園の噴水に出刃包丁を持った人魚姫が隠れていたという。
興味を持ったアイルが話しかけようとしたが、恥ずかしがって逃げ出したそうな…。

「して、ハインケル殿は?」

そう聞くソニアの頬が少し染まる。
まあ、散々弄ばれてメスにされたんだからこの反応は致し方無しであろう。

「ハインケルなら公子との顔合わせが済んで意気投合したようだ」

あの銃オタクな少年と公子なら確かに気は合いそうな気はした。
この国家は脳筋上等なので、知識系の子弟はそう多くないのだ。

因みにマリーは大幅に省いて言っているが、顔合わせから意気投合までの間はそう容易いものではなかった。

ハインケルがアイルに面会したその時、まだ半分寝惚けたアイルはすっぽんぽんのネリースのおっぱいにむしゃぶりついたまま・・・
そして、ハインケルも負けじとばかりに空いた乳に吸い付いた訳だ。

『ネリースはもう僕のモノだ!』
『お母様はずっとハインのお母様です!』

と言うやり取りがあって、ママのおっぱいの主導権争いが始まるのだが、そこは年の功のネリースが上手く収めたらしい。

らしい・・・と言うのは、マリーはそのやり取りにさほど興味を示してなかったのもあるが、彼女は『先生』と言う自分の立場を崩さなかったからである。
ささっとアイルの下半身をチェックして、性欲が治まってるのを確認したマリーは、アイルとハインケルの首根っこを子猫のように掴んで椅子に着かせると『朝の講義』を始めた訳である。

そしてメイド長のユリアには朝食の支度を頼み、講義を終えるとアイルやハインケルと共に朝食。
どうやらその辺りまででアイルとハインケルは意気投合してたようだ。

そして食後の散歩中にアイルが人魚と遭遇した訳だが、ハインケルの反応は『焼いて炙ってみましょう』と言う剣呑なもの。
流石にそれはアイルにたしなめられていた。

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