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刀王伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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刀王伝 3

そしてリンは踵を返して村の方へと戻って行った。
村と言っても今や燃えて倒壊した家々の瓦礫があるのみ。
まだ所々で火がくすぶっていて煙が立ち上っている。
そこにはかつての村人達のささやかな日々の暮らしの営みの面影はもう無い。
そんな光景を見てリンはこのニルヴァディア大陸の過酷さを改めて痛感するのだった。
(やっと村を見つけたってのにこのザマかよ。しかしこの地方は盗賊やモンスターの跋扈が半端ねえとは聞いてたが実際は噂以上だな…ハァ…今日もまた野宿か…せっかく今夜は保存食じゃ無くてマトモな飯を食ってフカフカのベッドで寝られると思ってたのによぉ…)
久しぶりの屋根のある寝床と温かい食事が幻と消えてリンが溜め息をついていると…
「はぁ…はぁ……あ…あの〜、旅の剣士さま…!」
村の女達がリンの方に駆けてきて話しかける。
「よう、あんたら。エラい災難だったな。…で、俺に何か用かい?」
「助けて頂いてどうもありがとうございます。父や夫や兄弟達の仇も取っていただいて…本当に何とお礼を申し上げれば良いやら…」
「気にすんなって!あのクソ盗賊共のせいで村に泊まれなくなって、そんで俺が勝手にブチキレただけの話さ!」
女達に礼を言われたリンは、少し照れ臭そうに頬を赤らめ、ポリポリと頭を掻いて目を逸らす。
ちなみに彼女達の服はボロボロで全員ほぼ裸に近い。
「剣士さま、もしよろしければ今夜一晩、私共の所にお泊まりくださいませ」
「はあ?…いや、それはありがてえけどよ。あんたら衣食住みーんな失っちまって裸一貫なんじゃねえのか?」
リンは盗賊達によって完膚無きまでに破壊された村の跡に目をやった。
ここに自分が泊まれるような場所があるとは到底思えないのだが……。

女達はリンを村外れに案内した。
「あ!ありましたわ。あれでございます、剣士様」
女の指差す先にあったのは石造りの小さな古い祠(ほこら)だった。
入ってみると中は予想以上に広く、食料や日用品、それに衣料品などが保管されていた。
「なるほど、いざという時の蓄えって訳か…」
リンは感心する。
農民達は強者に虐げられ奪われるだけの弱者かと思っていたが、意外と強かだったという訳だ。

その夜、リンは村の生き残りの女達15人程と共に、祠の中で死者に祈りを捧げた後、食事を共にした。
「さあ、剣士様。お飲みくださいませ…」
「おう!済まねえな」
「どんどん食べてくださいね」
「ありがとうよ!いただくぜ」
まさに至れり尽くせり。
リンもすっかり気を良くして酒も料理も進んだ。

…やがて彼は酔いつぶれて眠ってしまった。
床の上に大の字になって大イビキをかいて眠るリン。
それを女達は黙って見下ろしていたが、やがて目配せして頷き合うと、彼女達は“行動”を開始した。

「……んぁ…?」
酒をかっ食らって気持ち良く寝ていたリンは、ふと違和感を覚えて目覚めた。
「!?……おい!!こりゃあ一体何の真似だ!?」
リンは全裸にされ、大の字で両手両足を女達に押さえられていた。
女達も皆全裸だった。
「申し訳ありません剣士様、あなたを害する気はございませんわ」
女達の中で一番年長と思しき30半ば程の乳と尻の大きな女が言う。
「ただ、暴れられたり逃げられたりすると困りますのでね…」
「あ…あんたらの目的は何だよ?」
リンはゴクリと唾を飲み込んで尋ねる。
女は言った。
「剣士様、私達はあなた様の子種をいただきたく思います!」
「なにぃっ!?子種だぁ!?」
これにはリンも驚くしかない。
「はい!剣士様、あなた様はお強い…村を再興するためには強い男の血が必要です!」
「そうよ!もう奪われるばかりの弱者は嫌だわ!強くなりたいの!」
「でも私達の代では無理…だけど私達の子供や孫なら…!」
「私たち強い血を取り込んで強くなりたいんです!」
女達は口々に訴える。
「と…取り込むって…あんたらなぁ…」
リンはたじたじ…。
「申し訳ありませんが剣士様、あなた様に拒否権はございませんわ!」
「そうよ!大人しく観念なさいな!」
「私達を孕ませてちょうだい!」
上は30代半ばくらいの熟女から下は10代初めくらいの少女まで…女達は一斉にリンに襲い掛かった。
「わあぁ〜っ!!?ふ…ふざけんなテメェら〜!!つかもう充分強えぇ〜!!!」
リンの悲鳴に似た叫びが祠内に響き渡った。
結局その夜は一晩中、祠の中から女達の喘ぎ声が途絶える事が無かった…。


 ◇ ◇ ◇


…それから三日後、リンはフラフラの体(てい)で街道を歩いていた…。
「はぁ〜…ひっでぇ目に遭ったぁ…あいつらサキュバスだ…つかヘタな盗賊より容赦ねえぜ…」
つまり徹底的に搾り取られたという事である。
ちなみに彼女達は人間である事を一応ここに記しておく。

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