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ユリアナ姫の大冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ユリアナ姫の大冒険 1

聖ポルトナ王国、又の名を『冒険者の国』と称されている国。
この国は大陸の中央部に位置し、東西に大陸行路が通りさらに南北を大河イール川が通っていたので交通の便がよかった。
そのためこの国の首都マグダブルグには大勢の旅人や巡礼者などが訪れ大層にぎわっていた。
だがその賑わいは盗賊や闇商人など悪しき者たちも引き寄せて言った。
又各地に広がる森や山にはオークやゴブリンなども潜んでいた。
それらから身を守るためには国の兵士だけでは足りず、王国の町では冒険者たちを雇い入れてそれら悪しき者たちに対して対抗した。


そもそもこの国の初代国王も冒険者の一人であり、山賊や海賊さらに魔物討伐で功績を挙げて国王に推挙された人物である。
その由縁もあって聖ポルトナ王国は冒険者が集う国になったのである。

さてこの国には一人の姫がいる。
彼女の名はユリアナ・ドゥ・ポルトナ、御歳15歳。
金色の髪と蒼い瞳をもつ美少女であったが国王夫妻にとっての悩みの種であった。
それは彼女が冒険者志望のおてんば姫であったからだ。
子供のころから建国記譚を聞かされて育った彼女は冒険者にあこがれるようになったのだ。
普通の国ならそんな馬鹿なことは止めろとたしなめることが出来るが、ここ聖ポルトナ王国ではすることが出来ない。
何故ならこの国では王位継承者は冒険者として一定期間過ごすことが義務として定められているのだ。
それは初代国王から続く定めであり、勝手に変えることが出来ない不変の掟だった。
長い王国の歴史の中には冒険に出てそのまま帰らぬ人になったものもいたが、それはそれで不要な王子王女を減らし王国の運営経費を減らす効果もあった。

しかし現女王であるユーリア女王には嫡出の子供はユリアナ一人しかいなかった。
そのユーリア女王は40歳をすぎており、これ以後子供が生まれることは期待できなかった。
となると唯一人の後継者であるユリアナを旅に出すのは危ぶまれていたが、それでも定めは変えることは出来ず彼女を旅に出すことをユーリアは決めたのだ。

「これであの子がもう少しまともならよかったのですがね」

旅に出すことを決めたのだがユーリアの悩みは尽きない、何せ彼女の娘ユリアナの性格は能天気で自信過剰、そこそこ程度の剣の腕なのに、早くも一流の冒険者のつもりでいるのだ。
そんな性格で危険な冒険者稼業など出来るのであろうか、執務室でのユーリアのため息は尽きない。

「そんなにやばいんならもっと護衛の数を増やしませんか」

そういったのは女王親衛隊長であるガウェインだ。
黒い短髪をしたまだ若いが山賊の親玉のような男だ。

「そう思うんですけどね、一人旅が原則ですから一人だけでも護衛をつけるのは掟違反なのですよ。その一人の護衛をつけるだけでどれだけ時間がかかったのやら」

そう言って又ため息をつきその美貌を曇らせる。

掟のせいで正嫡が絶えたら意味が無い気がしますがね。
そうガウェインは思ったが口にはださない。
ユーリアも何か言いたげなガウェインに気がついたが何も言わない。
ただ一言口に出してしまう。

「あなたが正嫡だったら問題ないのですけどね」

「お袋、それは口出しちゃいけないことですぜ」

実はガウェインはユーリアの子供だ。
25年前に山賊に犯され孕んだ子だ。
ユーリアもまた掟に従い冒険の旅に出て、失敗した一人だった。
山賊に襲われ犯され孕んで逃げ出し、子を産んだ。
そこから孟王家に戻れぬと思い、ガウェインを連れて冒険者の生活を続けた。
さまざまな地でさまざまな男や魔物に犯されたり、また売春なので幾人もの子を産んできた。
ようやくひとつの町で落ち着くことが出来たが、そこへ王家から使者が来て、王位を継ぐことを告げられらたのだ。

ユーリアのほかの兄弟たちは皆死に、生き残っているのはユーリアだけ。
ユーリアは王都に戻り結婚、子供たちは養子に出された。
普通は遠くに追いやられるのだが、そこだけはユーリアは頑として譲らずすぐそばに置くようにした。

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