世界を救うのは勇者?いいえビッチです 3
「…」
なによ。まだもったいぶるの?
「いや、君っていろんなもの諦めてきたんだなあって。大丈夫。目が覚める頃には、君の叶えたかった希望と望んだ力が手に入るからさ。」
やっぱうさんくさい。
「それじゃ。君が好きだった勇者さまに代わって、希望とやらを叶えてみせてよ。それじゃあね。」
癪に触った。私は正体不明のお星様に向かって文句を告げようとした矢先に、私の夢は醒めてしまった。
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…。文句を言おうにも、夢で会った正体不明の生き物に言って何になるのか?
夢で言われたような力が、私についたとも思えない。
「痛ッ!!…はぁ。」
試しに壁を思い切り殴ってみた。私の想像通り、部屋の壁に穴が開く筈もなく私の拳が痛みに襲われただけだった。
…あほらし。
どうせ今日もまた、魔族に股を拡げるだけだ。無闇に抗うより、今の生活のまま、ベッドの上で魔族相手に腰を振っていたほうが良いだろう。
魔族の子を孕む道具。子を産んでまた新しい魔族の子種を迎え入れる。それが今の私だ。
淫らに腰を振って魔族を喜ばせるためにのみ、人間の女は生かされている。
今住んでるこの部屋だって、魔族に気に入られたからこそプライベートルームを持つことまで許されているのだ。
機嫌を損ねたら苗床にされかねない。今までも魔族を怒らせてしまった女たちは、一切の自由を奪われて監禁され、今も次々と精液を流し込まれている。
「身体…熱いな…」
いっそのこと、苗床にでもなって死んだ方がマシではないか、ふとそう思った時に私の身体に異変が現れた。
喉が渇いた。
下半身が疼く。
なにか、粘っこいものが飲みたかった。
身体の火照りを抑えるため、二度寝をするけど、いつの間にか私の息は荒くなっていた。
「なんなのよ、もう…」