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淫屍の迷宮
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫屍の迷宮 13

答えは簡単。彼と組もうとする仲間が見つからなかっただけである。
それほどまでに彼の冒険者としての実力は低い。
しかしここは『淫屍の迷宮』。殺伐としたダンジョンとは違う、エロダンジョンである。
美女ゾンビは無理でも、運が良ければお宝の1つでも見つけて帰れるかもしれない。
コーザは何もしないで帰れないと、今にも折れそうな自分の心に鞭を入れ、恐る恐る迷宮探索を開始した。

おっかなびっくり探索を始めたコーザは、探索を始めてすぐに、スライムに取り囲まれていた。
始めて出会ったスライムに驚き、冷静に対処すれば難なく倒せる所を、逃走を繰り返しその度に追跡する数が増え、今やフロア中のスライムを、コーザは引きつけていた。

「ひぃぃい、くっ、来るなぁ!」

安物の剣を振り回しながら、スライムを追い払おうとするも、スライムとの距離はドンドン詰められていった。
あまりにもど素人過ぎる行動は、彼の冒険者としての才能が、全く無い事を物語っていた。

「来るな!来るな!!」

既に壁際まで追い詰められたコーザの命は、風前の灯だった。
そして、スライムが一斉に飛び掛かったその時、一歩横にズラしたコーザの足が何を踏む。
その何かは瞬時に魔方陣を展開すると、コーザを光で包みその姿を消滅させた。

光が落ち着くとコーザは目を開く。
そこは今までいたフロアではなく、禍々しい気配の蠢く下層フロアだった。
コーザは転移トラップにより、一気に上級者エリアまで、飛ばされてしまったのであった。
こんな駄目な奴は見たことがない、と俺は思った。
あまりにも駄目すぎて俺の予想を超えていく。
ダンジョンを作った俺ですら驚くようなことを引き起こすのだ。
逃げようとすればするほど下層へと追いやられ、ありとあらゆるトラップを連鎖的に作動させる。
ここまでいくと愉快を通り越して恐ろしい。ヤバイものがとりついているとしか思えない。
しかし、怪我はしていない辺り運が良いのか悪いのか…。
いつしかコーザの安物の服はズタズタに引き裂かれて、全裸に剥かれていた。
哀れさすら漂うみじめな姿。
でも淫屍の迷宮の主である俺の評価はちょっとだけ違う。
小動物のように恐怖と羞恥に震えながら進む姿に、生存の可能性を感じていたのだ。
なぜそう思ったのか。それは彼が上級者エリアにいるためだ。
上級者エリアは別名実験エリア。俺や迷宮の力で進化・変異したモンスターたちの巣窟だ。
つまりそこには女性化した恐ろしく強いモンスターたちが、うろうろしているわけだ。
男に飢えた極限状態で。
そんな状態で全裸の男なんて見たらどうなるか。
死体になっても精を搾り取られることは想像に難くない。
でも出会ったモンスターが複数だったら?仲間割れを起こしている間に逃げられるかもしれない。
俺が生き残るかもしれないと思った理由はそこにある。
さてひよっこ冒険者はどこまで俺を楽しませてくれるかな?
興奮と期待に胸を躍らせながら、俺は観察を続けた。

「う、ううっ・・・。な、なんでこんなことにぃ・・・」

半ベソかき股間を隠しながら、奥へ奥へと進む新米冒険者。
その姿を見れば男色の趣味のない男でも反応してしまう何かがあった。
何と言うか、小動物的なのだ。
ショタコンのお姉さんが今の彼を見れば、その場で鼻血を吹きながら倒れるかもしれない。
道がわからないとは言え、奥へ奥へ進んでいるあたり、それは魅力ではなく、天性の素質や才能というモノを持っているのかもしれない。
ある意味、ここで死ぬには惜しい人材である。
そんな時だった。

ガシャッ。ガッシャガッシャガシャ・・・

(ひぃっ・・・!?)

新米冒険者はあわてて口を押さえ、何とか悲鳴をこらえることに成功した。
どこからか固い金属がぶつかり合うような、音が聞こえてきたのだ。
今すぐそこから走って逃げたいところだが、そんなことして別のモンスターと鉢合わせしては元も子もない。
逃げたい衝動を抑え、なけなしの勇気を振り絞って音のするほうをのぞいてみると。

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