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ガルシーダの闇
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ガルシーダの闇 37

犬男ジェフにシェリーは王国の法や貴族と平民の立場のちがいについて教えた。
シェリーは貴族階級の生まれで兄が家を継いだので、学者としての資格を取り暮らしている。
「娼館は、姦婦の檻とも呼ばれているのです。貴族階級の女性が姦淫の罪を償うために働かされる収容施設。だから、領主しか運営を認められないのです」
「だから、商人たちが娼館を作り運営して稼ごうとはしないのか」
犬男ジェフは王国の貴族たちが知る裏事情を理解した。貴族階級の女性たちは、一年で他の貴族の愛妾か元の夫の愛妾となり引き取られていく。それが王国に払う保釈金がわりである。
一年で引き取られなければ、身分を剥奪されて平民に落とされる。
そうなると平民の裕福な商人に愛妾として買われていくこともある。
「平民による運営の娼館では、罪人とされた貴婦人たちを身分落ちさせずに、娼婦を引退させる貴族の男たちを客にできないでしょう?」
「貴族の姦通で生まれた子はどうなるんだ?」
「その貴婦人の実家が裕福ならで養子にする場合もあります。そうでなければ、孤児として扱われます。貴族の孤児たちは裕福な商人に引き取らせます。商人たちは、養子をもらうことでその子を育てるのに商人が困らないように、援助金を領主が払います」
失踪していた孤児たちの援助金の話と貴族の私生児の援助金の話。
ジェフの頭の中でつながった。領主とアレスはこの制度を使ったのだ。
「この街で娼婦たちの父親のわからない私生児には援助金なんて聞いたことがねぇぞ」
「母親たちは貴族ではないですから。それに平民の場合は、職人などが幼い頃から働く技術をつちかうために雇われることもあるのでしょう?」
「親に売られるだけだ」
「貴族の貴婦人たちも同じです。姦通の罪で生んだ子とは引き離され、子を修道院に入れることで減刑されて、娼館で働かされる期間を短くすることができるのですから」
(商人たちは貴族の子だと、ありがたがってもらうわけだ。娼婦の子でもそうすれはいいんじゃないか)
ジェフはそう考えた。
「全ての孤児に援助金を出せるほど私財を持つ領主などいません。財を蓄えた領主が私兵を集めて反乱を起こさないようにしているからです」
平民から搾取して、領主は教会に寄付し、さらに宮廷に納税する。宮廷は集めた金や食糧を貴族たちに分配する。それで各領地の整備や運営をしている。
「領主に上納しないギルドを作ったとすると、発覚すれば最悪の場合は反乱を企てたとされかねませんが、それでもやるつもりなのですか?」
「やってやろうじゃないか」

十一

ガルシーダの都にて、カラム地方を統治する名家エルド家の若き当主エミリア。
彼女に反乱することになってもかまわないと言った犬男ジェフは、参謀というべきシェリーを手に入れたのである。
影を使う犬頭の男となったジェフはシェリーの家に訪れた娼婦たちを犯した。それはシェリーの指示である。
安宿を使う女たちに安宿を占拠させるには、ジェフに忠誠を誓う信者というべき女たちを増やさなければならない、と言うのである。
ジェフはシェリーの家に避妊薬を買いに来た娼婦たちを快楽の虜にしてみせた。
シェリーは安宿を占拠と言ったが、この街を占拠して、街そのものを巨大な娼館にする計画を考えていた。
犬男ジェフの実力を確認したかったのもある。ジェフの能力が単純に持続力だけではなく、影使いであることを見せつけられたシェリーは、ジェフが自分に対して手加減していたことがわかった。
ジェフはシェリーに影を使わなかった。娼婦たちには容赦なく影を使い慰みものにした。
影を実体化する、触媒とする道具を使わない召喚を見て犬男ジェフが高度な魔法を快楽の道具にしていることにシェリーは驚愕し、あきれて、さらに性欲というものがどれだけ人を動かす原動力であるかを考えさせられる結果となった。
避妊薬の話を餌に他の娼婦を館に勧誘してこなければここでお前を壊すとジェフは言った。女たちは「壊して」と腰をくねらせ甘えたような声で懇願すると、そこで止めた。

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