PiPi's World 投稿小説

ガルシーダの闇
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 34
 36
の最後へ

ガルシーダの闇 36

シェリーは働かない貴族と働く平民で分け前を分配していて、平民が結果として搾取されている結果になっているけれど、みんなで利益を分配という考えで娼婦を保護するのは「難しいと思う」という。
「客とやる場所、これは必要で安宿のじじいが娼婦から場所代を取ってる。これは市場で店を出す許可を領主に金を上納して店を出してるのと同じだろう?」
「そうね」
「これが娼婦ギルドの娼館を作れたらじじいに金を払わなくても、所属している娼婦はそこをもっと安く自分たちで使えるはずだ。それに客もここに来れば娼婦がいるとわかれば、こそこそしなくてすむだろう?」
「話を続けて」
「それに避妊薬も会員特典で限定配布されたら、娼婦たちは金を払うと思うんだけどな」
「入会金を集めて運営資金にして娼婦たちに仕事しやすい環境を提供するってこと?」
「そんな感じ」
「娼婦として商売する認定や許可が必要か、所属しない娼婦は処罰の対象となるなどの規制がなければ、娼婦たちはギルドに入会しないと思う」
シェリーは他の領主が賭博場や娼館を運営していることを教えた。そのかわり、許可された場所でなければ賭博や売春行為を取り締まっている。
ガルシーダの街は規制が緩い。
領主は教会に寄付金を渡し、教会は宮廷に寄付金を上納している。納税以外の王国の重要な資金源となっている。
ガルシーダの場合は市場や街で店を出す商人は領主の許可が必要で、それを定期的に更新するときに商人たちは金を払っている。
あと貴族が領主だけで他の貴族がいない街であり、議会がない。賭博場や娼館を領主が運営しなくてもよいのは、そのためである。
領民の納税と商人たちの落とす金で街は運営されているのである。
卵売りのハリーは無許可の商人で、許可を持つ商人たちが来ても市場で卵売りをしていると、ひどい目にあわされることになる。
街の人々はハリーには同情していて、早朝の他の商人がいない時間だけは商売するのを見逃している。
娼婦たちも見逃してもらっているが、これは娼婦を領主エミリアが正式な商売として認めていないので、許可が取れない事情もある。
誰でも娼婦として売春行為はできるが、その結果、暴行されたりレイプされて孕んでも訴えられない。
また商人たちも娼婦を買うことは認められていないので、何があっても自己責任である。
他の街では、職業訓練を受けて許可を受けると娼婦として娼館で住み込みで働くことができる。最長二年の期限つきで働き、衣食住は補償されている。半年ごとに特別手当も支給される。
二年間を娼婦として勤め上げる者はめずらしい。ほとんどは一年ほどで引退する。
妊娠することもあるが、愛妾として契約して引退するケースが最も多い。
自警団や職人と事情は変わらない。その後、資格を得れば、住み込みで働き、決まった年数で契約更新する。
娼婦の場合は年齢制限がある。
流れ者の娼婦の中には、娼館での暮らしを経験した女たちがいて、膣性交以外のテクニックを習得しているのである。
農民暮らしから抜け出すために流れ者の無許可娼婦になる者もいる。
浮気ついでに男から金を受けとり遊んでいる平民の人妻なども無許可娼婦である。
人妻といっても、平民には法的な結婚はない。いわば倫理義務であった。
最大のタブーとされているのは近親相姦であった。
「世代のよりどころを見失わせ、秩序ある人間と無秩序の動物の境を曖昧にしてしまい、家族基準を失わせる」行為としてタブーとされた。
貴族は血統を重んじる。血統の混乱を招かない男性の家長は制約を受けないで、愛妾と正妻を同じ邸宅に暮らさせることも許可されている。
姦通の罪に問われるのは貴族の貴婦人たちだけである。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す