PiPi's World 投稿小説

ガルシーダの闇
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 36
 38
の最後へ

ガルシーダの闇 38

シェリーは娼婦たちの名を聞き出し髪を一本採取して帰らせた。女たちはすぐに顔見知りの他の娼婦を連れて戻ってきた。
娼婦たちを犯し続け三日目の夜に百人相手にした後でキャサリンがシェリーの家に来た。
「また会うってこういうことだったのね」
シェリーに夜這いをかけたことやキャサリンが夜の娼婦のリーダーであることを話した。
昼間の娼婦たちは素人や不馴れな女たちが多いことをキャサリンにシェリーは話した。
ジェフはようやく仮眠を許されて仔犬のような寝顔でベットで眠った。
キャサリンとシェリーは王国のプロ娼婦たちの将来について対談した。二人は、いずれ素人娼婦しかいなくなることで意見が一致した。
群雄割拠の時代であれば、娼婦は情報を収集したりする密偵や寝首をかく暗殺者として特殊訓練された女たちであった。
王国の天下統一や、特殊訓練された娼婦の中から才能のある人材のみを集めて女性が主力の聖騎士団を作り出して、他の神を信仰する異教徒の弾圧や抹殺した智将フェルナンデスは、娼婦と娼館を姦通の罪の刑罰として制度の中に取り込んだ。
大陸統一の直後は戦災孤児も多かった。今後は戦がなく貴族人口が増えたときに貴族を平民に降格する手段として法の中に残したのだろうとシェリーは、キャサリンに教えたのである。
ジェフはシェリーの館に来たキャサリンに言った。
「まあ、そういうことで、俺はこのガルシーダの都を隠れた小さな国として独立させるのと、この犬の頭部をなんとかしたいというのが今の望みさ」
ジェフはフードを目深に下ろしてコートをまとって出歩くことも、シェリーに用心するように忠告されているのである。
異世界から生還したが、以前の暮らしにも戻れず、かといって頭部が耳がたれた雑種犬の人間などいない。
信心深い敬虔なる民衆に悪魔呼ばわりされたら、戦力不足のシェリーたちでは騎士団に討伐されてしまうだけなのは明らかだった。
キャサリンが館に来たことでジェフはシェリー以外の女を久しぶりに抱けた。かなりご満悦である。
街を出歩きたいというのは単純に欲求不満なだけだったようだ。
シェリーだけでは体がもたない。
キャサリンのおかげで、シェリーは気持ちいいが疲れる奉仕も無理しないでこなせるだろう。

十二

ガルシーダの都から遥か南方の街は昼間は灼熱の地でありながら、日が暮れると気温が下がり出し、真夜中には息が白くなるほと冷え込む。
街といっても商隊のテントと荷馬車が、井戸の周囲に野営している荒地である。
豊穣の平原やなだらかな丘陵地帯の美しさとは異なる寂寥たる地であった。
さらに南下して一週間ほどゴーレム馬で行けば、砂漠が広がっている。
砂漠を行くにはゴーレム馬や幌馬車は適していない。
重さで砂に沈んでしまうのである。

南方に任務で聖騎士シーラは来ていた。
南の旧街道を抜けて大陸を横断する方が海路よりもましと考える商人たちは、彼女が一人で旅をしていると知ると驚いた。
命が惜しくないのか?
真顔で彼らはシーラに聞いた。
たとえば砂漠からやってくる毒蛾。
産卵のために砂漠を越えて荒野に飛来する群れに遭遇してしまうかもしれない。
燐粉の毒で麻痺している間に卵を植えつけられたら、孵化した幼虫に食われて、無惨なおぞましい死体となるだろう。
毒蛾を見つけたら、ハリハラの葉を一枚、口に含んでよく噛む。すると、麻痺しないですむ。
麻痺しなくても群れの中に飲み込まれたら、産卵される危険がある。
十数人でタイマツに火をつけて振り回せば毒蛾は逃げていく。普通の蛾は火を見つけたら飛び込んで来る。しかし毒蛾は火を嫌う習性がある。
一人でタイマツをつけても群れで舞う毒蛾はそのまま向かって来る。
他にも危険はあるが、商人らが集団で協力しあい運が良ければ王都に辿りつける。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す