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ガルシーダの闇
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ガルシーダの闇 21

案内された部屋は家具がベットしかない。娼婦ドリーの部屋と同じ感じてある。
「ほらよ」
宿代を払ったあとの中身がたっぷり残っている金貨袋をフレデリカに渡した。
「宿無しだったのは俺のせいなんだろう、悪かったな。それ全部やるよ」
ジェフはそう言うとベットに腰を下ろした。
「荷物はそのバックだけか?」
「まあね」
金貨袋の中身を確認して、金貨があと四十八枚入っていた。あと銀貨が十二枚。
娼婦は金貨一枚で客を取る。半分は宿代、半分は次の旅費や食費や雑費。
フレデリカは若いので金貨二枚を要求しても、客が払うので一晩に一人で金貨一枚分は旅費として貯めることができる。
生理や疲れがひどい日は客を取れない。一ヶ月宿代で金貨五枚は必要。あとは食費などの雑費を金貨三枚ほどで暮らす。一ヶ月に金貨八枚あればいい。残りの稼いだ金が旅費となる。
約半年は旅費を考えなければ滞在できる大金をフレデリカは渡されて不安になる。
大金を奪われた商人が自分を探して奪い返しに来るかもしれない。
「ここの領主の御嬢様は、娼婦嫌いだが、娼婦を買う男を軽蔑してるから、訴え出ても娼婦を買おうとした奴には罰金を取る。だから、さっきの奴も訴えたり騒いだりしないさ」
ジェフはそう言って笑った。
「娼婦は罰金を取られたりしないの?」
「自分が娼婦だって言いふらして歩く女はいないからな、罰金なんて取れないのさ。近隣の集落からも、たまに金に困った人妻が体を売りに来る。他の街は娼婦の商売を認めて娼館だけで働かせて、売り上げを巻き上げる領主もいる。ここは表向きは娼婦はいないことになってるわけさ」
この街は他の街より商売しやすいので、長期滞在している娼婦たちもいる。
そんな娼婦たちとすぐに他の街に流れていく娼婦たちがいて、長期滞在の娼婦たちは情報交換したり、仲間意識がある。
娼婦ドリーやフレデリカは流れていく娼婦たちで、一生養ってくれる男や惚れた男を見つけたら娼婦を引退するつもりの女たちである。
長期滞在の娼婦たちは、稼いで自立している意識があり、結婚願望はあまりない。実際、娼婦よりも安い稼ぎで暮らしている男のほうが多いからだ。
月に金貨五十枚以上の収入があるのは、商人たちぐらいである。
だいたい金貨十五枚から、職人などで金貨三十枚というところだ。
一ヶ月に客一人あたり金貨一枚で二十人を相手にすれば、金貨二十枚の収入になるのである。十日間だけ客を取り、平均二人のペースなら月に金貨二十枚。
月にこの街なら金貨八枚あれば暮らせるので、だいたい金貨十二枚ずつ貯めることができる。
娼婦は見た目が四十代前半ぐらい、つまり見た目が若い四十代半ばまでの女までしか買い手がつかない。それまでに金を貯めて酒場や娼館の主になるしかない。
まだ客が取れるうちに誰かと結婚して夫に養ってもらうのを狙うなら無理はしなくていいが、そうでなければ稼いで貯めまくるしかない。
「なんか疲れちゃった」
「まだ二十歳だろう?」
街から街に渡り歩く生活。娼婦というだけで、男から性欲の捌け口として差別される立場。
まだ娼婦ドリーほど男を金づるとして見れるほどフレデリカはすれっからしではない。
「なら、その金で暮らして、しばらく娼婦をやめてみたらどうだろう?」
ジェフに言われてフレデリカは少し考えた。
「でも……」
「ん、なんだ?」
「あんたに買われたってことでしょ?」
ジェフはフレデリカにキスをした。
フレデリカが唇を少し開くと、ジェフが舌を入れてきたので、舌を絡めあう。
「んっ、ふっ、んんっ……」
ジェフとフレデリカが抱きあって体を密着させる。

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