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ホムンクルス
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ホムンクルス 2

空腹できついからか、レミナはサキに文句を言う。
ちなみにラル君とは、この遠征に付いてきた兵士の一人なのだが、彼は如何せん精力がなかった。
身体もどちらかと言えばひ弱であり、即戦力にもならないため、同じ兵士から良い顔はされてこなかった。
そのような兵士が何故今回の戦争に駆り出されてきたのか。

それは、彼が幼い頃よりアバスタ国で必死に勉強した成果である。看護兵として今回の戦争に参加し、通常は傷ついた兵士の看護をしている訳である。

「おい雌豚!ラルはどこにいる」

二人に罵声を浴びせたのは、騎士のガイズだった。筋肉を隆々とさせ、顔も厳つい表情をしている。アバスタ国の騎士の生きる象徴とも言える人物だった。この男は全てのホムンクルスに対して雌豚と罵っていることから、大半のホムンクルスからは毛嫌いされている。しかし、強靭な肉体と精力に魅了され、従順にも雌豚と罵られつつも悦んで股を開くホムンクルスもいるほどである。
レミナはガイズに関わりたくないと言わんばかりに視線を下に落とした。それを見かねたサキは笑顔で対応する。

「…あっ、ラル君なら、今宿舎に居ると思いますよ〜。私、さっきラル君からご飯貰ったんでー」

「チッ…あの野郎。」

そうぼやくと、ガイズは宿舎に向かった。
姿形が見えなくなると、サキが笑顔のまま

「いつか腹上死(ころ)してやる」

と愚痴をこぼした。
「ガイズきらーい。私達ホムンクルスのことあんな風に罵るし。それにレミナのこと特に嫌ってるみたいだし。マッチョで絶倫だけど、それにしたって言い方ってモンがあるでしょうが。」

ガイズはアバスタ国の騎士として、一般の兵士から尊敬の対象となっている。その要因は様々だが、男はああいった人物を目標にして己を鍛えようとするのであろう。
ホムンクルスを蔑視していることについては、兵士の中では賛否両論らしいが。
大別すると、如何に精液で生命を繋ぐホムンクルスであろうとも、自我が存在する以上は人として関わるべきだとか(少数派の意見である)、男の精液を啜って悦ぶ変態の生き物であるホムンクルスは、それくらい言って当然である、といった意見の二つに別れる。大半の、男は考え方が後者であるため、平時から男に媚びようとしないレミナは、より精液を貰う機会が少ないのだ。

「…興味ないわ。私もホムンクルスであること自体、嫌で嫌でしょうがないし。」
レミナは、自分がホムンクルスとして生まれたことを強く憎んでいた。何故人間の女としてではなく、男の精液によって生かされるホムンクルスとして生まれてきてしまったのかと。

「まぁまぁ。でも精液美味しいじゃない?こう…身体が火照ってゾクゾクっとして、全身が満たされるような感じがするし。」

「…」

サキがレミナを諭す。
ホムンクルスは、オマンコを男の肉棒で抉られたり精液を体内に流しこまれれば、凄まじい程の快楽が感じるようにできている。
そんなホムンクルスの一人であるレミナが頑として否定することなど出来ないのか、イエスともノーとも表現せず、きっとサキを睨んだ。

「私はユーネみたいになりたくないの。…あれじゃ、ただの男のオモチャじゃない。」

ユーネとは、ホムンクルスの先輩である。男漁りが好きで、会えばよく全身精液まみれになって悦んでいることが多い。したがって、快楽に堕ちたホムンクルスと仲が良いのだが、そうでないホムンクルスからは敬遠されていた。
「あぁ、そうね…う〜ん、ユーネって男受け超良いんだけど、私のレミナが常にあんな感じになったらやだな(たまには良いけど)。精液臭いし(レミナの全身を舐め回したいなー)」

サキは唸って考え込む。レミナは発言の一部にツッコミを入れた。

「ちょっ…私はあんたのモノじゃないわよ!私は私だけのものなんだから!」

赤面しつつも反論するレミナ。

「可愛いなぁ、レミナは。ところでさ、ユーネってラル君を侍らしてるって知ってる?」

サキは話を反らす。冗談とはいえ、即答されたことが応えたのか、少々しんみりとした表情になったようだ。




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