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淫妖伝――生存者(サバイバー)
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫妖伝――生存者(サバイバー) 7

こうした小ネタが満載だが、ゲームは敵をそばに行って攻撃、弓などで遠距離、画面内の複数の敵に魔法で攻撃するシンプルな作りで、逃げるときは画面から離脱するだけでいい。
戦うより逃げ回るゲームで、そこもバランスは悪いがそれがおもしろがられた。遭遇したザコ敵も群れになれば危険である。
小ネタ満載のゲームにできたのは、別の人気シリーズのゲームに製作スタッフや予算が持っていかれたからだったが、結果としては真理や翠も残業続きて休日出勤もありできつかったが当時としては誰も見たことがないゲームができあがった。
今ではオンラインゲームで自分でやりたいことをするプレイヤーが多い。それに近い感じのゲームだった。
花の種をコレクションしたり、街の食堂めぐりをしたり、ポーカーで遊び続けたり、シナリオ中心ではなくプレイヤーが考えて遊べるゲームになった。
愛と斗真もおままごとの延長のようにこのゲームを楽しんでいるようである。
「ねぇ、とーま、魔法の腕輪、買ってよ」
「右手と左手にひとつずつ装備してるからつけられないじゃないか」
「とーまもおそろいにしようよ」
「愛ちゃん、剣を修理しないと、あと鎧も。お弁当も買わないと」
「えー、やだ」
二人の会話を聞いて、翠は思わず笑ってしまう。
(ふふっ、今度、真理に話してあげよう)
「とーまくん、またね」
「うん。おじゃましました」
自転車に乗って斗真が帰っていく。
窓ガラスに手をついて、愛は斗真の姿が見えなくなるまでじっと見ている。
(あらあら、愛は斗真くんのことが本当に好きねぇ)
「ママ、おなかすいた」
斗真が帰るまでは、食事のことなどまったく気にしてなかった愛が言った。
斗真は家に帰ると、まだ真理は帰っていなかった。斗真の家にはゲーム機はない。愛の家と比べて自分の家が裕福ではないのはわかっていた。
シャワーを浴びた。
「ただいま」
真理が帰ると斗真は眠っていた。
「斗真、起きて。ごはんよ」
「あ、かあさん。おかえり」
学校から渡された手紙や連絡帳、終わった宿題も真理に見せて、次の日の支度をすませてから食事を食べる。帰ってから愛の家に行ったことを話した。
「あした漢字のテストだって先生いってた」
「百点とれそう?」
「わからないよ」
「がんばれ」
「かあさん、百点でも、五十点でもみんな宿題やってるよ。がんばってると思うよ」
「そうね」
真理は考えてこう言った。
「0点でも五十点でも同じ、漢字を教科書を見ないでまちがえないで書けるかだけど、百点って全部答えを書いてしまわないといけないから、途中で思い出したり、考えてたり、あきてぼんやりしてると全部答えが書けないでしょ?」
「うん」
「斗真はたまに考えごとをしてることがあるから、気をつけないとね。ごはん食べちゃおうか」
「うん」

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