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淫妖伝――生存者(サバイバー)
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫妖伝――生存者(サバイバー) 6

その真理が斗真の疑似授乳にはまっているとは、翠は考えもしない。
見た目は会社の受付嬢や秘書課の美人よりも人を惹きつけるのに仕事はできて、翠は尊敬していた。今は契約社員として真理は働いている。
育児をしながら働いているのだが、社員で働いてほしいとさそわれているらしい。斗真が中学生になったらそうしたいと答えると、それでもかまわないと言われたらしい。真理ならゲームデザイナーとして独立してもやれると翠は思う。
翠は美大を卒業してゲームのイラストを描く仕事をしていたが、真理はどの仕事もこなせる優秀な人材だった。翠の方が入社は一年先輩だが、真理は翠に半年で追いついた。
(旦那も真理ぐらい仕事できれば今頃は出世してるはずなんだけどなぁ)
翠の家には家庭用ゲーム機がある。翠や真理が製作にかかわったゲームもある。
今は少子化の影響もあるのか、ゲーム会社が大人向けのゲーム機というコンセプトで売り出しているのでゲーム機本体が価格が高めのせいか、売れ行きは低迷しているらしい。
真理は元の大手の企業ではなく、携帯電話用のソーシャルゲームの製作会社で働いている。
翠は真理と仕事していた頃は「もう辞めてやるぅ、もうやってられない!」と真理に何回もぼやいたが、今ではなつかしい。製作したゲームが売り出されて、店頭に並ぶと感動した。
休日は家でごろごろしてネットオークションや競馬が趣味の旦那と、自分に似ている生意気になってきた娘と暮らす主婦の翠は、たまに子供たちを連れて真理と外食して仕事の話を聞くのが好きだった。
斗真と愛は母親たちが製作にたずさわったアクションRPGが好きだ。
かわいらしいデザインのキャラクターとモンスターは当時は、カッコイイデザインが売れ筋だと思い込んでいた上司たちと何回も会議して作られた。
そのため会社から提示された予算は厳しかったので、真理や翠もイラストをたくさん描いた。デザイナーを有名な漫画家やイラストレーターに依頼する予算がなかったのである。
これは発売直後は売れ筋ではなかったが、販売から三ヶ月後にヒットした。
芸能人が最近はまったゲームとトーク番組で話したり、見た目はかわいいが育成ゲーム要素が強く、シナリオをクリアーしてからもずっと遊べると気づいたプレイヤーがはまったのである。
シナリオは当時ヒットしていたファンタジーRPGと大差ない、ぱっとしない内容である。ただし、アイテムを素材となるモンスターのいるダンジョンやフィールドから宝探しをして入手すると、装備が強化できたり、仲間のモンスターに装備できたりする。
関係なさそうなアイテムの花の種は種類が多い。真理がパンジーの種、スイカの種など実際に目にする種をゲームに入れたのが、子供たちにはツボだったのだ。
身近なものがゲームに登場したので、それを見るとゲームを思い出す。またラーメン、カレーライス、ハンバーグ、オムレツ、サンドイッチ、寿司など街の食堂で子供の好きなもの、あとビールなど子供が飲めない酒なども街の食堂で登場する。
初めの企画では食堂メニューはなかった。また回復薬ではなくお弁当で、フィールドでキャラクターのHP回復すると、まるでピクニックに出かけたみたいだと笑いながら作った。

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