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淫妖伝――生存者(サバイバー)
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫妖伝――生存者(サバイバー) 3

娘の真里が斗真について朝から晩まで病院にいる間に、村人の噂に詳しい寺の住職に「実は孫が禁地で」と相談に行った。
源一郎の孫が警官に保護された噂はすでに住職の耳には入っていた。
「村の連中を疑うわけじゃないんだが、鬼なんているわけもないからな」
「村の誰かの犯行でも見つからないであろうが、殺さなかったということは良心のかけらぐらいはあった、と考えるべきだな」
「そういう考えもあるか」
そこで住職は、鬼から連れて行かれないようする儀式だと斗真の衣服を呪符と一緒に村人たちが安心するように翌日、経を読みながら焼いた。
服をお焚き上げしたその日の夕方には、斗真が目をさました。全裸で徘徊していた夜から三日後のことである。村の老人たちは、これで斗真が鬼にさらわれなくても助かったと胸を撫でおろした。
斗真は禁地で何があったかは忘れていた。
村で若い者は限られている。さらに若い女性ならなおさらで、シングルマザーとはいえ斗真の母親の真理は三十前で、都会ではなく田舎暮らしに戻る気もあって、その相談をするために帰省したところもあった。斗真の夏休みの思い出つくりもかねて。
斗真が神隠しにみまわれかけたことで、真理が田舎に戻るのが難しくなった。また真理も息子が首や背中や内股にキスマークのようなアザをつけられて発見されたことで、村にいれば息子がまた襲われたり、口封じのために殺されるのではと不安になった。
祟られた家との縁談なんてとんでもない、と老人のいる家では話されていた。
この夏から母親の真理は田舎に行くとは言わなくなり、源一郎が田舎から孫と娘に会いにくるようになった。
母親の真理は再婚しなかった。
その理由は斗真の変化にあった。
夏休みに田舎に帰ってから、夜になると寝つけないと斗真が言うようになった。
記憶はなくても心の傷になったのだろうと斗真をメンタルクリニックに連れて行き、相談した真理は診察した医師のカウンセリングに従い、斗真と一緒のベットで寝ることにした。
幼児の頃、離婚したせいか一時期やたらと真理にべったりだった時期がある。
その頃は甘えて一緒に寝たがった。
真理と一緒に寝るようになると斗真は寝つけないことがなくなった。
そんなある冬の夜である。
真理が誰かに胸を触れられたと思い、ぼんやりと目をさましたが気のせいだったと思い目を閉じて再び寝ようとしていた。
斗真が抱きついてきた。さっきの感触は斗真だったのかと納得してそのままでいると、斗真の手はパジャマがわりのスエットの中に入ってきた。
真理は寝るときはノーブラである。
「ちょ……んっ、と、斗真……」
斗真は真理の生乳を手でつかんでいる。
赤ん坊の斗真が授乳の時に、母親の自分の胸に触れていたのを思い出した。

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