HRHR FANTASY 25
「じゃあ、次のオークションに出品ですね。あれ?次って何時でしたっけ?」
「明日だ。おい、おめぇらこいつを洗ったら牢に入れとけ。」
「へい。」
ユーリはフードの男たちにそのまま運ばれた。
(ううぅ、どうしてこんな事に。)
ユーリが気が付いたのオークションが始まる直前だった。
気が付いたら拘束され、奴隷として売り飛ばされる事になっていて、慌てるもそれを打破する術を持っていなかった。
(兎に角、少しでもいいから隙をみて逃げないと。)
「おい、次はお前の番だぞ。」
「ひゃ、ひゃい!!」
ユーリは男にオークション会場に連れ出された。
「さぁて、次の『商品』はこちら人間のふたなりです。詳細はお手元の資料でご確認ください。」
「ほう、既に孕んでいるのか。」「この年で妊娠するとは相当淫乱だな。」「ふむ、ふたなりか。」「装備が呪われているのか。少し厄介だな。」「どれどれ、スキルはっと。」
オークションの客たちは、手元にある紙と僕を交互に見ながら思案したり、いやらしい顔で嘗め回すように見たり、通信魔道具でどこかに連絡したりしていた。
逃げ出したいけど体が自由に動かせず、声も出せずにいた。
鏡がないからわからないが首に違和感があるから、そのせいで動けないのかもしれない。