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亡国の王子
官能リレー小説 - ファンタジー系

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亡国の王子 8

全身を駆け巡る快感の中、ふたりは繋がったまま恋人同士のように抱き合っていた。
長い射精を終えた後もリードの剛根はやや力を失ったものの、元が大きい為にサラの中から抜けずに膣肉に包まれていた。
サラも初めてのセックスでこれだけ気持ちよくなれたのは、Hな身体だからなのか、それともリードとの相性がよかったのか。おそらく両方だろう。


絶頂と至福の余韻が次第に醒めてゆく。
「サラ・・・・すまない。無理に君の身体を求めてしまった。」
「いえ、いいんです。私、幸せです。」
サラはそう言って、純真な笑顔を浮かべる。
「ありがとう・・・・」
そう言ってサラを抱きしめるリードの目元には涙が浮かんでいた。
(あの発作さえなければ、女の子にこんなひどい事をせずとも済むのに・・・・)
悔しくて仕方なかったのだ。
(この発作的に女が欲しくなる魔族の媚薬効果、恐ろしい・・・いずれはサラにも、他の者にもきちんと言わないといけない。)そう決断した。
だが同時に、健気なサラの笑顔にうたれた彼の男根は再びサラの女穴の中でむくむくと力を取り戻すのであった。

むせ返るような精液の臭いで目覚めた時、サラの身体を抱きしめ、一つ外套に包まっていた。
何回交じり合ったか…覚えてはいなかった…
3回目に後背位で…そして確か4回目は騎乗位だったと薄っらと思い出すことは出来たが、
それ以降は、どのような体位で交じり合ったのかすら、リードは覚えてはいなかった。
尿意を覚え、サラの身体からそっと離れる。
大木の根本で緊張を緩め、自身を見下ろす…
交じり合い過ぎたせいで赤く腫れてはいるが、それに媚薬は抜けていた…
発作が起こる前でも、こんな穏やかな状態の自身を見るのは久しぶりだった。
もしや?…
リードはサラの寝姿に目を向けた。
滴を振り落とし自身を握ると、それは確信と思えた。
人間の女性と交われば交わる程に、魔力の効いた媚薬の効力は薄まっていくのだ…
そう思うと、再びむくむくと男根がそそり立ってくる。
彼が捕えられた時、周りにずらりと並んでいた首、首、首・・・・・・
その中にいなかった女たち、シンシア、セリーヌ、アイシア、リアーナ、ファティマ・・・・・
彼女たちの美しい顔が思い浮かぶ。
無事に彼女たちは逃げ切れたろうか?それとも・・・
だが、ともかく逃げ切るのが先と不安を押し殺し、サラの元へ戻る。
「殿下・・おはようございます。」
サラはどこか恥ずかしげに挨拶してくる。
セックスの途中で彼が鎧を脱がせたために、裸だった。
しかも股間からは精液が滴った跡があった。
「ふたりとも水浴びだな。」
そう言うとリードは彼女の手を取って川の中へ入った。
「殿下はお元気ですね。」
純真な微笑みを浮かべて彼女が言うが、その視線は彼の剛根に向けられている。
「夕べはありがとう。どうしてああなったのかは、あとできちんと説明する。だから許してほしい。」
心底済まなさそうに、彼は言った。
「そんな・・・許すも許さないも、私は近衛騎士です。殿下のお手付きになってなぜ怒る必要があるのでしょうか?怒るとすれば、逃亡中にもかかわらずあれほど何度もお求めになられたことだけです。」
サラは言い切ったが、その瞳にはあまり怒りの色は無かった。

ふたりは水浴びをして汚れを落とすと、早々に逃げ支度にかかった。
サラは鎧を身に着けるが、それを手伝ったのはリード自身だった。
この時代の鎧は本来は従者に着用を手伝ってもらうものだからだ。
「殿下にこのような手間をおかけして申し訳ありません。」
「いや、脱がせたのは私だ。だから気にするな。」
「はい。ありがとうございます。」
ややうつむいて、サラは答えた。
リードも外套をまとう。
「しかし腹が減ったな。」
「いつまでも同じ場所にいては危険ですので、少し移動してから何か狩りましょう。」
馬に水を飲ませ、近くの草を食べさせ、ふたりは馬上の人となった。
4時間ほど森の中を走り、下馬すると手近な動物を狩る事にした。
「では、殿下。今日の夕食を調達して参りますので、しばらくお待ち下さい」
「ああ・・・」
サラの言葉に頷くと、リードはそのまま倒れるように地面に腰を降ろす。
王宮の温室育ちのうえここ数ヶ月魔族に監禁されていたリードには、今回の強行軍はかなり堪えたようだ。
(御労しい・・・だが、今は非常の時。堪えていただかなくては・・・)

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