亡国の王子 62
抱き合いながら突きあげられ、ポニーテールにした金髪が揺れる。
揺れるポニーテールを見ていたシンシアは、いささかの羨望を覚えた。
髪質の良さではシンシアも素晴らしいのだが、エルフ独特の髪質には、また違った良さがあり、人間の髪の毛とはまた違う。
「ああん、もっと来て、リードぉ!」
「エルフィーネはこういうの好きだね」
「だって、リードのがっ、ああん!」
淫らな声と淫らな音が流れる部屋の中で、他の三人も羨ましがるほど、エルフィーネはリードに密着して突き上げられていた。
少し前にシンシア達3人を抱いたとは思えないほど、元気にリードが突き上げる。そうしてエルフィーネを快感の坩堝へと、叩き込んでいく。
エルフィーネも、こうして彼に快感の坩堝へと叩き込まれるのが好きでたまらない。
エルフは人間より長命故に、人間であれば好色と呼ばれるほど強い性欲を持つ者は少ない。
それだけに、彼女のようにHに積極的な者は珍しい。というより、リードに首ったけというほうが正しいだろう。その美しさと可愛さで、この館でエルフィーネは多くの者の好意や好感を得ているが、だからと言ってエルフィーネは彼らと関係を持ちたいとは思わない。
「ちょっと妬けちゃいますね」
「そうよね。あそこまで積極的になるのは、ちょっと恥ずかしいです」
リード達の営みを見ていたシンシアとサラが、羨みと少しの妬みとを交えた言葉を交わす。
「あ、いいっ、それいいのっ!ううっ!」
「エル、もっと気持ちよくなって!」
「だめぇ!もう、あーっ!」
ビクッ!ビクッ!
思い切り突き上げられ、エルフィーネはイってしまい体を震わせる。
ふにゃっとなったエルフィーネを抱き支えていたリードは、まだイっていない。
イってまだあまりたっていないエルフィーネを、また突き上げる。
「えっ、あっ!あっ!」
「だって、まだ僕はイってないから」
「でもぉ、あ、あん!」
驚いたように声をあげるエルフィーネも、嫌がる声ではなかった。
どうやらイきやすい体質らしく、エルフィーネは途中でイってしまう事も多い。
お互いにわかっていて、楽しんでいるのだ。
シンシア達3人は、見ていて奥深くに疼くものがあった。
リードの逞しい剛根は絶倫で、リードが暇な日には、4人揃って日がな一日抱かれている事もあるくらいで、それくらいしてもリードの精力は尽きないし、忙しくて一日Hな事ができないと彼の調子が崩れだす……というか、あの謎の衝動が彼の中で叫びだすのだ。
ふと、シンシアが不安げな顔になった。
「結婚したら……私、どうなっちゃうのかしら」
「殿下って本当に絶倫ですからね」
「シンシア様、お気持ちは分かりますが、殿下ならちゃんと大切にしてくださるでしょう」
サリーもサラもシンシアの不安の原因に気づいたようだ。
(でも、私達4人だけで受け止めきれるのかしら?)
(殿下は私達を大切にしてくださるでしょうし、シンシア様にはこう申し上げたものの、私もいずれ妊娠したら、嬉しいけれどその間は護衛の任を果たせないし……いずれ誰かを迎えることになりそうね)
(私もシンシア様も、身も心も殿下なしではいられなくされちゃったし…)
目の前の情事を眺めながら、3人共その身の奥深くを疼かせながら考え込むのだった。