亡国の王子 60
サリー本人は知らない事だが、バンセル公爵の元に参集した貴族やその配下からは、王子を取り巻く四人娘の中で最年少のサリーは、いわばマスコットのように見られていた。
「よし、終わった。待たせたねエルフィーネ。おいで」
「もう、遅いんだから」
口では文句を言うエルフィーネだが、その声音に不満の色は無い。それどころか期待さえ滲ませている。
リードも席を立ち、エルフィーネの前までやってくると彼女を抱き込んだ。
優しく抱き留められ、エルフィーネは幸せな気持ちになる。
しかし、硬く逞しく勃起した剛根が彼女に当たり、強く自己主張してもいた。それを、エルフィーネも優しく撫で、優しさと期待のこもった声でそっと言った。
「もう、こんなにして…」
「エルフィーネの事が好きだから」
「ずるいんだから、もう…」
リードは、自分の愛情のみならず強烈な性衝動と絶倫を、文句も言わず受け止めてくれる四人の事が大好きだし、感謝をいくらしてもしきれないと思っている。
彼女達がいなければ、自分はこの多すぎる性欲と絶倫で何かしでかして自滅していたかもしれないと思っていたし、それを抜きにしても彼女達は等しく大切な恋人だった。
そのまま、するりと抜け出す様にエルフィーネがしゃがんだ。
リードの剛根を、丁寧に取り出す。男の匂い漂う剛根を細い指で触りながら言った。
「本当に元気なんだから。それに何だか大きくなってない?」
「かもしれないな」
「ところで、少し胸が大きくなった?」
「よく気付いたね。どう?」
エルフィーネは少し成長した胸を張る。
シンシアやサラと比べれば小さいが、それでも成長はしているのだ。
自分の成長を気づいてもらえて喜んだエルフィーネは、手にしていた剛根を、優しくさすりだす。こしゅこしゅと、柔らかい手コキで、元気な剛根が反応する。
剛根から、微かに匂いを感じ取ったエルフィーネは思った。
(やっぱりシンシア達の匂いがするわね……でも負けないんだから)
「先を越されたけど、私だってリードが好きなんだから」
エルフィーネが、彼の剛根に愛し気にほおずりする。
頬で、彼の熱と硬さを感じ取る。