亡国の王子 59
水浴びをして汗を流し、練習着から普段着に着替える。お気に入りの服なのだが…
(ちょっと胸がきつくなってきたかな…仕立て直さないと)
人間とエルフの年齢を単純には換算できないが、エルフィーネは年齢的にもまだ発育が止まっておらず…しかも毎日リードといちゃついているためか、ホルモンの出も良くなっているのだろう。
発育を続ける胸を弾ませながら、エルフィーネはリードの執務室に向かう。
リードはセックスの時や、Hな刺激を受けた時に、相手を犯すよう求める内なる声に突き動かされそうになることがよくあった。
今はシンシア達が毎日相手をしてくれるので、サラに救助されたときのような暴走は避けられていたものの……実は誰も気づいていない副作用があった。
すなわち、リードとセックスした女性の性欲を高めてしまうのだ。
シンシア達4人娘は、彼女達にとっては幸いなことに、リードと出会って関係を持つようになった時、他に恋人や好きな男がいなかった。
シンシアに至っては元々リードに恋心を持っていた。
故に自分たちの性欲の高まりは、リードへの愛情の産物だと思っていた。
エルフィーネがリード達の部屋に入ると、リードは真面目に書類に向かって仕事をしていた。
机上の様子を見るに、ひとまず書類仕事の大半は終わったらしい。
「戻ったわ。リード、仕事は順調そうね」
「おかえり、エルフィーネ。みんなのおかげさ」
周りにいたシンシア達にも視線を向けながら、リードは答えた。
シンシア達を抱いたことでひとまずすっきりしたリードは、手早く仕事を進めていた。彼はこの手のデスクワークも実は得意なのだ。
だが、しばらく仕事を続けていたので、また欲望が疼き始めていた。
そしてエルフィーネも訓練や激しい運動の後には、奥深くが疼くことがあった。
彼女の顔を見ていたら、リードもなんとなくそれに気づいた。
「ねえ、リード…」
「エルフィーネ…仕方のない娘だね。もう少し待っててね」
「その間、こちらをどうぞ」
サリーは手際よく、エルフィーネの分のお茶を用意して差し出した。
それを頂き、すっと飲み干す。
「ここのお茶って本当に美味しいわね。運動した後は特に。サリー、ありがとう」
「ありがとうございます」
お茶が身に染みていくような感覚を味わうエルフィーネに、サリーは可愛く答えた。