亡国の王子 53
お互いに激しい動きなのに、唇を離さない。
サラやエルフィーネのように鍛えているわけではない彼女だが、毎日のように交わり続け、お互いの呼吸も合っているからだ。
白く大きなおっぱいが、抱き合う二人の中で挟まれて揺れる。
その柔らかさが、リードには彼女の優しさや愛情が形をとっているかのように思えるのだ。
「んんっ、んっ!」
じゅぷじゅぷと淫らな水音を立てながら、リードは突き上げる。
対面座位という体位で、ストロークは短いが、激しく突き続ける。
お互いの唇を交わしていても、シンシアの喉からは嬌声が漏れる。
リードは何度も突き上げていて、ふと視線を感じた。
サリーだ。不意の来客に備え、今はサラの世話をしているのだが、やはり彼女も抱いてほしいのとシンシアへの気遣いで、時々視線を向けてくる。
リードは一度だけ、こくっと頷く。少し後でサリーも抱いてあげるよという意味を込めて。
すると、シンシアの方が動きを激しくした。そしてより強くリードを見つめている。
ほかの女に気が行った事に気づいて、せめて今は自分に集中して欲しい、シンシアはそう思ったのだ。
謝罪の意味を示すように、リードはさらに強く彼女を抱きしめ、ラストスパートに入る。
「好きだよ、好きだよっ!シンシア!」
「あっ、こんな時に言うなんて、あ、あっ!」
(犯せ!犯せ!)
(わかってる!黙ってろ!今はシンシアと愛し合いたいんだ!)
自身の奥底からのあの声に、抵抗しながら、リードは激しく突き上げて愛をささやく。
激しく突き上げ、愛を告げるリードにそう返すシンシアだが、明らかに嬉しそうな声音だ。
彼女自身、さらにしっかりと抱き着いてくる。
剛根で子宮口まで突き上げられ続けるシンシアも、自らの奥深くに喜びが疼くのを感じていた。リードの事を、心身の奥底から求めているのだ。
「あ、あっ!わたし、もうっ!!」
「僕もだよ!」
きゅうっとシンシアの女穴が締まり、愛するリードを逃がすまいと締め上げる。
「ううっ!!」
「あ、ああ〜〜っ!!」
最後に思いっきり一突きし、リードはシンシアの奥深くで盛大に果てた。
自らも絶頂したシンシアの体が、その証にどっと汗をかき、甘い匂いを放つ。
「大好きだよ、シンシア…」
「私もです、リード様……」
射精を続ける剛根を包み込んだまま、二人は抱き合っていた。
射精を終えても、剛根は硬さを失わず、シンシアの中で存在を主張している。
リードの性欲は消えないが、同時に安らぎも感じる。
暖かくて柔らかいシンシアをを抱いていると、自らの奥底からのあの声が、少しずつ吹き消されるような気がするのだ。
「リード様ったら…もっと致しますか?」
「そうしたいけど、今は…ね」
可愛く小首を曲げて言うシンシアだが、状況を理解している。今は仕事中で、いつ誰が急報を持ってくるかわからない。
主だった貴族達は、この時間帯がリードの休憩兼イチャラブタイムだと知っているので急でない要件は持ってこない。
とはいえ、いつまでもとはいかないのだ。
「綺麗にして差し上げますね」
「シンシア、ありがとう」
シンシアはゆったりとした所作で彼から離れると、彼の股間に跪いてお掃除フェラをした。