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亡国の王子
官能リレー小説 - ファンタジー系

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亡国の王子 49

「なるほど……」
 リードは興味深げに頷きつつ、エルガーの話に聞き入っていた。
 彼が興味を示したことに、エルガーも意を強くして続けた。
「我がエルガー家とベッドフォード家は古くより付き合いが深くございますれば、よろしければ私めが彼女を説得して参ります」
 リードが考えていると、声を上げる者がいた。ノルトホフ子爵だ。
「オフィーリア嬢が現れたのは先月と申されたな。彼女はその間どうしていたのか?
 少し前まで消息を絶っていたという事か?」
「何分、敵の重囲下の事にございますれば、落城後は潜伏しつつようやく我等の勢力圏内まで抜け出て来たようでございます」
「ならばよいが……」
 何か懸念しているらしいノルトホフ子爵に、バンセル公爵が言った。
「よもや、彼女の事も疑っておられるのか?」
「そこまでは申しておりませぬ。ただ、多くの者が逃げてくる事に乗じて間諜を仕込んでくるのは、計略の定石であり、実際に検挙された者も出ております。
 彼女にその気がなくとも、魔術にて操られているやもしれず、落城後の数か月の空白が気にかかりますな」
 尤もな懸念ではあったが、果たして一同の様子は緊迫した。
「しかし、王太子殿下は言うに及ばず、ようやく逃げ延びてきた者も多くござれば、疑い出すときりがありませんぞ」
 リード以外にも、落城などを経て生還すべく潜伏してようやく逃げてきた者は、この場だけでも何人かいた。疑われかねないので、彼らも警戒しているのだ。
 そのやり取りを聞きながらリードは考え込んでいた。そして、全員を見渡してから言う。

「まあ待て。ともかくも彼女を招聘してみよう。私が手紙を用意するので、エルガーはそれを持って彼女を説得してきて欲しい。そして、くれぐれも彼女の様子をよく観察するように」
「はっ!ありがとうございます!」
 リードがエルガー男爵に、オフィーリアの招聘を命じた事で、朝食の席はお開きとなった。



「さて、手紙を用意しないとな」
 執務室に使っている一室に戻ったリードは、さっそく手紙を書き始めた。
 傍には護衛としてサラ、秘書兼務でシンシアの姿があり、サリーがさっそく茶を淹れた。
 この時、エルフィーネは弓の練習に行っていて不在。
 彼は書記官などをあまり使わず、自分で文を書く質の人物だった。
 意外にすらすらと文章が出てきて、彼の筆が進む。
 彼女の激闘に共感し、再び戦って貰えるように誘うべく、考え気持ちを込めて。

 ほどなくして、彼は手紙を書き上げた。
 エルガー男爵を呼び出し、期待を滲ませ手紙を託す。 
 
「頼むぞ、エルガー」
「殿下のご期待に沿えるよう、微力を尽くします」

 喜び勇んで答え、エルガーは出立していった。
 彼が出て行った扉を見ながら、期待と憂色がないまぜになった顔でリードは言った。

「ふう……彼女が来てくれるといいのだが……」
「お疲れさまです。しかし、どのような方なのでしょう」
「高名な人物なのは間違いないが、会ってみないとね」
「そうですわね……それに、リード様もお疲れのようですね」
「疲れというより、その……」

 リードはシンシアとサラをちらちらと見る。


 眼前の美しい娘達に視線をやるリードは、逃避行中にサラを犯した時や、忙しくて誰とも性行為をしなかった日のような、独特の朦朧とした意識になってくる。
 朝に風呂で二発搾り出してもらっただけでは、到底足りないのだ。
 リード達やエルガー男爵が飲んだ、ティーセットを片付けていたサリーも戻ってきた。

「とりあえず、私めが。殿下、失礼いたします」
「ありがとう」

 椅子に腰掛けた彼の股間に入り、サラがしゃがみ込む。
 丁寧に彼の勃起を取り出して、そっと口の中に包み込んだ。
 

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