亡国の王子 44
シンシアが見上げた彼の表情は、春のうららかな陽ざしのようだった。
「私こそ…ありがとうございます。貴方と一緒にいられるなんて、今でも夢のようなんですよ」
「こんな素敵な夢が覚めるわけ、ないよ」
この時、シンシアの心臓が一度、トクンと跳ねた。
母レティシア譲りの美貌に、暖かい赤みがさす。
その空気は、不意に入った声で破られた。
「ひゃっ!」
「こら、エル、暴れるな!」
「いたた…」
ばたっと尻もちをつく三人の女の子。
エルフィーネと、その背後から抱き着く、いや捕まえるような具合でくっついているサラとサリーだった。
「だって雰囲気良すぎるんだもん…」
「だからと言ってシンシア様の邪魔までは…」
「ちょっと悔しいですけど、お嬢様の邪魔はできないですから。ささ、素敵なシーンをお続けください」
「みんな大丈夫?」
「サリー、サラさん、エルさん」
リードとシンシアの声が重なった。
貴族出身の女騎士として、序列は重んじるサラ。
貴族社会に所縁がないどころか、人間でさえないエルフのエルフィーネ。
どうやら、やきもちを焼いたエルが行動を起こしたのをサラ達が止めようとしたようだ。
ごまかすように続きを促したサリーの言葉も、ふたりにはもっと恥ずかしくするだけだった。
「申し訳ありません…エル、お前の」
「何よもうっ!あなた達だって本当は邪魔したいんじゃないの?」
「いや、そんなことは…」
雰囲気を乱したことを詫びつつエルフィーネを非難するサラだったが、言い終わる前にエルフィーネがむくれてしまう。
「あ…手が止まってしまっていました」
「そ…そうだね」
こうなってみると恐ろしく恥ずかしい。
リードも自分で自分の事が茹で上がったように湯気吹いてるぞと思うくらい、恥ずかしさで血が上ってしまう。
シンシアも、顔から胸から紅くなって両手を頭をはさんで慌てていて、両肘に挟まれたおっぱいを強調するようなポーズをとってしまっていることに気づいていない。
うわあ…
毎日のように肌を合わせるようになったシンシアだけど、こういうポーズを取られるとすごい…
改めて見てみると、本人が意識してないだけに自然でかわいい。
絹のような肌に包まれたおっぱいに滴る水滴が、さらりと流れる。
彼の気持ちを知ってか知らずか、シンシアの手がもう一度彼の股間を洗い出す。
「ああ、いいよ、シンシア…」
「お大事ですから、綺麗になさいませんと」
戦争になる前は入浴時にメイドに洗ってもらっていたリード。
ついでに手や口、時には胸で優しく搾り出してもらう事もあったが、愛するシンシアに洗ってもらうのはあの時とは段違いに幸せだし、気持ちいい。
そこに彼女の甘美な声が入った。
「いつでも出してくださってかまいませんのよ」
根源的な快感と幸福感を呼び起こす、優しい手つき。
手でしてもらっているだけでも、体が快感で震えだしそう。
「もう…出るっ!!」
「きゃっ!」
ぴゅしゃっ!
剛根が泡を飛ばすように震え、精液を吐き出す。
おっぱいに精液を受けたシンシアが声を上げるが、驚きこそ含まれていても嫌悪の色は無い。
リードの剛根は、二度三度と勢いよく精液を吐き出し続ける。
次々に浴びせられる精液が、彼女のおっぱいを白く染めていた。
シンシアが軽く驚いた顔が可愛くて、リードも胸にきゅっと来て。
繰り返される射精の脈動に重なる。
「ごめんねシンシア、洗ってもらっておいて汚してしまった」
「ふふっ、いいのよ。私がしてあげたかったのですから」
謝るリードに対しシンシアに怒りは無く、リードが少しほっとした直後。
「リードのここってホントに元気よね」
「うわっ!」
「熱くて大きいし、こんなに脈打ってる」
いつの間にか背後にやってきたエルフィーネが、奉仕椅子の谷間からリードの玉袋を手にしていた。
「シンシア様の大きなお胸がこんなに白くなっちゃうほどお出しになったのに、殿下はこんなにもお元気で…それにこんなに濃い」
サリーも横から現れて、シンシアの胸にかかった精液を指で掬い取る。