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亡国の王子
官能リレー小説 - ファンタジー系

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亡国の王子 4

貴人はどんな状況に陥ったとしても、自ら命を絶つことは、硬く禁じられているのだ。

ならば殺せ!・・こんな生き恥を晒されているぐらいなら、いっその事この首、刎ねて欲しかった。

「殺せ・・」
女魔王に呟きながら、リードは虚ろな瞳で、広間に晒されている首を見渡す。
父、母、そして弟妹たちの首の向こうには、貴人としてその腕を競い合った仲間たちのそれが並んでいた。
彼らは目をかっと見開き、リードのこの痴態を見ているかのようだった。
「頼む・・」
再度、女魔王に向かいリードは呟く。
「ふふふ、そなたのエナジーが涸れれば、その願い叶えてやる。だから、早くお出し!その汚れなきエナジーを我が胎内に打ちまけるがよい!」
「ほ、ほんとか・・そうすれば、願いは叶えてくれるんだな?・・」
「ふふふ、、涸れてしまえばな・・・だがそなたには無理であろう?」
女魔王ジュリアは妖しく微笑む。
彼女の一言でリードは愕然とする。
今まで彼は、何度連続で自慰しても涸れることはなかったのだ。
それは、仲間たちのように、1回や2回で修まることなどは決して無かった。
1度萎えたとしても、数分後かにはまた勃ち上がり、それを鎮める為にまた擦る・・その繰返しだった。
『血気盛んで頼もしいものじゃ・・』
『さぞかし多くの御子息を作られることだろうよ・・』
所構わず股間を膨らますリードを知る長老たちは、目尻を下げてその元気の良さを讃えたものだった。
それは普通の状態であったならば、誇らしく、自慢にもなることではあるのだが、今のリードにとっては怨めしい何ものでも無かった。
「これほど硬くて立派なものを持つ者は魔族にもなかなかおらぬぞ。さあ、私の中でたっぷりとイくがよい!」
腰を激しく振りながらジュリアは言った。
明らかにHを楽しんでいる。
「うぐ・・ぐっ・・・」と、リードは呻く。
「もう私も限界じゃ・・・共にイこうぞ!!」
ジュリアの締め付けがますます強くなり、子宮は子種を求めてうずいて下りてきている。
「ううっ!!」
「あっあっ、あーっ!」
どっびゅっ!どっびゅっ!!どっびゅっ!!!どっびゅっ!!!!
こうして2人は同時に果てた。
「はあ、はあ・・・」
「はふぅ・・・・よいぞ・・よいぞ・・・素晴らしいエナジー・・・」とジュリアが満足する中で、リードの子種がたっぷりと彼女の中を満たしていた。
快感と無念が入り混じった複雑な表情で、リードはジュリアを見ていた。
快感に酔いしれ、エナジーを味わうジュリアの顔は、リードにもとても美しく見えた。



邪悪な魔物たちによって祖国を滅ぼされてからいったいどれ程の月日が流れたのだろう。
魔物に囚われ、ただひたすら女魔族に精を絞り採られる日々。
何時しかリードはそんな毎日にも慣れ、半ばその淫欲の日々に溺れかけていた。

ガタッ

(ああ・・・また、誰か来たか・・・)
今宵も始まであろう欲望の宴にリードの肉棒はパブロフの犬のように反射的に勃起する。
だが、鉄格子の嵌ったドアを開け放ったのは、魔物ではなく人間だった。
「殿下!ああ・・・良くぞご無事で・・・」
「えッ!?ま、まさか・・・サラ!サラなのかい?」
「ハイッ、アンビエント帝国近衛騎士サラ・ブライアントにございます!」
そこに居たのは戦前のアンビエント帝国において、皇太子であるリード付きの護衛騎士であった。近衛騎士のサラ・ブライアントだった。
「ああ、殿下・・・お救いに来るのが遅くなり申し訳ございません。さぞやお辛かった事でしょう・・・ですが、もうご安心下さい!私がお側に居る以上、絶対に殿下を魔物共の手より守ってさしあげます!!」
サラは感極まったように紺碧の瞳から涙を流し、汗と愛液と精液に塗れたリードの体を強く抱き締める。
「さあ、殿下!時間がございません!スグにお支度を・・・一刻も早くこの城から逃れなければ!!」
「う、うん分った・・・でも、どうやって?」
「城の地下に抜け道がございます。その抜け道は城下の下水道に繋がっており、そこから抜け出る事が出来ます!さあ、お早く!!」
リードは彼女が差し出した外套を羽織ると、サラに促されるまま今や魔王の居城と成り、魔境と化した城の廊下を走り抜ける。
(・・・父上。母上。ユーグ。カテリーナ・・・すまない。今は逃げなければならない・・・でも、ボクは必ず祖国を魔物たちから解放し、アンビエント帝国を再興する為この城に戻ってくる・・・)
リードは自分の家であるハズの王城から、無様に逃亡する悔しさを噛み締めながら、アンビエント帝国の帝都を後にした。

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