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竜使いの少年
官能リレー小説 - ファンタジー系

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竜使いの少年 99

「助言は参考にさせてもらうよ」
「窮地に陥ったときは、自らの足跡を振り返ると良いでしょう」
村長の言葉に礼を言うと、豊は魔神の村に転移した。
裏事情を探るつもりなのだ。


獣人の村を立ち去った豊は、山羊の隠れ里に来ていた。
魔神の真意をただすためだ。
ミューゼの友人だと信頼していたが、間違いだったかもしれない。
女神の迂闊さは折り紙つきだ。
彼女を信じて酷い目にあっていたのを、少年は思い出していた。

「山羊の魔神、どこだ?」
「呼んだかえ?」
ボワンと、古典的な煙と共に魔神は現れた。
山羊の頭に、オッパイ丸出し。典型的ともいえる悪魔の姿だ。
ユーモラスにも見えるが、見た目で油断はできない。

「何をたくらんでいる?」
「この娘達の種付けを完了すれば、教えましょう」
単刀直入な少年の言葉に、山羊は動揺しなかった。
それどころか、私ごときの罠など簡単に破れるだろうと挑発されては、少年は無視できなかった。
ミューゼの豊穣の力と共に、事務的に精液を流し込んでゆく。
20分程度で作業は終わった。
女を抱いているのに全然楽しくないなと、少年は不満に思った。

「さあ、話して貰おうか?」
「最後に我を抱いてもらおうかの?」
「山羊頭の怪物を、抱く趣味は無い」
少年の言葉に、女は山羊のマスクをスポリと脱いで見せた。
中東風の、彫りの深いオリエンタルな美女だ。
形のいいおっぱいと胸から臍の絶妙な曲線と合わさると、文句なしに良い女だった。
抱く気になれないと、言い逃れができない容姿だ。

のらりくらりと、はぐらかす魔神に豊はため息をついた。
彼女を抱けば、さすがにそれ以上の条件は出てこないだろう。
言われるままに、抱いてみるしかない。

「これで満足か?」
「ああ、これで力を頂くことができる!」
魔神の言葉と共に、膣がギュルリとうごめいた。
少年の体から、精気や魔力など、あらゆる力が吸い取られ始める。

「な、なんだ?これは…」
「我が眷属の宿した108の胎児と、我自身を用いた、呪詛の力よ!」
豊は、必死に抵抗を試みるが、どうにもならない。
自分の子供を生贄にされた呪いで、抵抗できないのだ。
動脈を鋭利な刃物で切断されたような感じで、力が垂れ流しになって行く。
疑っていたが、完全に裏をかかれた形だ。
悪魔に油断は禁物だったのだ。

『窮地に陥ったときは、自らの足跡を振り返ると良いでしょう』
先ほど聞いた妖狐の言葉を、少年は思い出していた。
アカシックレコードを探ると、山羊の呪いで運命線が汚染されていた。
駄目だ。無理に切り離しをすると、力を全て失ってしまう。
力を切り離して再構成できれば、何とかなるのだが。

「エリル!!」
豊は、エリルとの召喚契約を解除した。
縁を切らなければ、彼女まで呪いに巻き込まれる。
今となっては、彼女だけが残された希望だ。
竜の鱗と、自分の力を凝縮した結晶を、死力を尽くして彼女の元に転送した。

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