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大淫者の宿命星
官能リレー小説 - ファンタジー系

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大淫者の宿命星 7

朱色や黄色を基調とした、龍や鳳凰をあしらったきらびやかな店構え。鼻をくすぐる匂い。
横浜中華街。
善隣門をくぐって彼女と手をつなぎながら予約した中華料理店を探しながら俺は歩いている。
「ここみたいね」
「……なんか高そうだけど」
「ほら、値段じゃなくて、おいしいかそうじゃないかでしょう?」
まず俺はメニューが読めない。
スープが湯(タン)というのは知っていたけど、炒めもの――炒・爆・烹・煎と単純な油炒めから焼いたものも含むらしい。炒飯ぐらいしかわからないぞ。
杏仁豆腐はわかった。
白切鶏(バチカイ)、五目精進(ホーロンションソウ)、鳳城魚滑(フォンセンユイワ)、炒麺(チャウミェン)、鮮蝦雲呑(シンハーワンタン)……。




彼女の注文した鶏肉とか、炒めものとか、鯛の刺身とか、焼そばとか、ワンタンスープとか来てみて、ああこれか、って感じになっていた。
写真を見てどうもスペアリブらしいのだが、なんて注文していいかわからず、彼女に教えてもらって、俺もおずおずと注文してみた。
焼排骨(シュウパイクウ)。
ちゃんと注文したものがくるか心配していると、彼女がにこりとしながら「子供みたい」と言う。
中華料理といったら餃子、春巻、ラーメン、あと炒飯ぐらいしかイメージしてなかった。
でも、実際はかなりいろんなメニューがあって、すごくおもしろい。
「フカヒレのスープとか北京ダックとか、頼まなくてもいいの?」
「え、なんかワンタンスープあるし、肉は自分で頼んだのも食べてるし、あ、でも桃饅食べたい。中にアンコが入ってるやつ」
「飲茶のメニューにあるやつかしら?」
彼女の食べているマンゴープリンは、プリンのまわりにラズベリーソースが敷いてあって、これはこの店のオリジナルらしい。
一口もらったが、甘酸っぱさと甘さが絶妙ですごくおいしかった。俺はうかつにも定番の杏仁豆腐を頼んだ後だったので、ちょっと悔やんだ。
でも、桃饅頭がうまい。
彼女の趣味はドライブだが、絶対に食いしんぼうなだけだと思う。
おいしいものがあると聞くと彼女は車を走らせて手に入れてくる。もしくは一緒に食べに行こうよ、と言うのに、太る気配がない。
太らない体質なのかもしれないが、そのわりには美乳で桃尻なわけで、痩せ体型ではない。
彼女の仕事は昼夜問わず行われているので、食べないとバテるのかと思えば、生理中は食欲がないらしく、自主的に断食をしたりもして、よくわかない。
「ちゃんと食べないとバテるよ」
「あんまり食欲ないんだもん」
彼女の仕事の手伝いは、まだ危険らしく、もっぱら家事をしている。俺は夫婦の営みに全力で取り組んでいるというべきかもしれない。
まだ、結婚してないで同棲中だけど。





横浜から帰りに渋滞して帰りが遅くなりそうだと彼女は、どこかで宿泊したいという。
「やっぱり温泉だよね」
彼女はそう言ってすぐに泊まれる旅館を探した。俺はバイト先に休むことを連絡した。
そして姉に今はつきあってる彼女と旅行中だから、うまく言っておいてほしいと頼んだ。
旅館では新婚さんですか、と聞かれて彼女がそうですと照れながら答えていた。
「こういう映画あったような気がするな、警察とかヤクザの組織から逃げている悪党の話」
「ヤクザとかの麻薬とか大金を持ち逃げして逃亡するみたいな話とかね」
旅館の部屋ごとに露天風呂がついていて、星空をみながら温泉につかっている。
「でも、最後に女が裏切ったりするよ」
「そうそう。お金とか奪われて拳銃で撃たれる」
「愛してたわ……最後の銃声が響きわたる」
「そうそう、そんな感じ」
俺にとっては、そんなアクション映画よりも驚きの連続ではある。温泉から上がって、彼女がワインを少し飲んで、俺はつきあって梅酒を飲んだら酔った。




「あら、本当にお酒に弱いんだね」
「普段、まったく飲まないからさ」
「ふふっ、かわいい」
彼女も顔が少し赤らんで酔っているらしい。
ヤバイ、と思ったときには腰帯を取られた。
「昨日もしたのに……うぅっ」
押し倒されて唇を奪われた。さっき露天風呂で彼女の乳房をふざけて揉んだせいか。
「ねぇ、一晩で何回したことあるの?」
「昨日の夜が新記録です、あっ、こらっ」
「逃がさないんだからぁ、ふふっ……もう勃起してるじゃない」
彼女の細い指先が勃起をやんわりと握っている。
上下に扱かれて、思わず声を上げると濃厚なキスしながら扱かれた。

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