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大淫者の宿命星
官能リレー小説 - ファンタジー系

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大淫者の宿命星 20

仔猫がこちらを見た。
「ん、おぬし、わしを抱っこして撫でてみたいみたいようじゃの。他にもいろいろな姿になれるが、見事であろうが、どうじゃ?」
「たとえば?」
「おぬしがロリコンなら、それに合わせて、この孫娘の幼い頃の姿にもなれるがのぉ」
「お祖母様!」
彼女は仔猫のしっぽをぎゅっと引っぱった。仔猫があわてて、壁をのぼり、天井で逆さになった。
「また会おうぞ。さらばじゃ」
仔猫の姿が消えて、俺の前に一枚の呪符がひらひらと落ちてきた。
「いつから視てたのかしら……」



霊視で、式神が見たもの聴いたものを術者は感じることができる。
老婆はのぞいていたが、もし、俺が憑依された従業員を室内に入れていたらヤバかった。
結界は破壊されて術が破られた彼女は、反動でただではすまなかったろう。
俺も殺害されていたかもしれない。
「いたっ……あれ?」
式神仔猫にひっかかれた傷は、彼女がさわったり、舐めたりする治癒の法術でなおしてくれた。
「まだ痛い?」
「いや、なんか気持ちいい」
「ふふっ、もう、また……」
俺のものはまた勃起していた。
部屋の外で完全にイッている若い女性従業員は放置したまま、俺は彼女とまたやってしまって、そのあとすぐに眠ってしまった。

俺が眠り込んでいる間に、彼女が従業員をいきまくりの状態から治療したらしい。
「宿泊代が無料になったわ。あの人、あのラブホテル経営者の娘さんで、お祓いしてくれてありがとうって言ってくれたよ」
彼女は感謝されたのがうれしかったようだ。
ラブホテルでアルバイトしていた他の従業員たちが心霊体験をして全員辞めてしまい、かなり困っていたらしい。
「ちゃんと寝てないけど運転、平気なの?」
「ふふっ、たくさんしてもらったから、すごく調子いいんだよね」
ぺろっと小さく舌を出して照れながら彼女は言うと、車をすごい勢いで走らせた。
ここは高速道路ではありません。
こわい。
俺は怨霊は見なかったし、襲われかけて無事だったけど、霊媒師の実力は見せつけられた。
彼女が真言を唱えただけで、女性を絶頂させた。老婆が使役する式神というモノも初めて見た。
老婆が霊媒師の後継者候補の女性たちと、セックスしてほしいと俺に頼んでいた。
というか結婚を認めるかわりの条件でそう言われたけれど、どうしたものだろう。
セックスするのは彼女だけで、俺は正直なところ満足している。



彼女の帰郷。
会えたのは式神を使役する老婆だけ。
「私は七歳まであの神社で暮らしてたの」
それからは、親戚の家で暮らしていた。
「私は神子様って言われて、親戚の家でも特別扱いだった。
学校は楽しかったよ。普通の子と同じなんだと思えたから……。でもね」
彼女はやはり特別だった。強い霊能力だけではなく、いわゆる超能力もあった。
念動力、透視、それに俺も式神仔猫のひっかき傷を傷痕も残さず治してもらったあの治癒の力。
そんな強い力を持っている子はクラスにも、学校にも一人もいない。
人前では力を隠すようになった。



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