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悪魔の花嫁
官能リレー小説 - ファンタジー系

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悪魔の花嫁 2

そんなことを考えているとじぃっとキッツの事を眺めてしまう。
気づいてくれないかなあ、とか思ったりもするけど。だから、
「ほれふり、ほうはふがれるんふぉ?」
「言ってることわかんないから、とりあえずその口の中のサラダ何とかしてからにして。」
「ふい。」
むしゃむしゃ…んぐっ
  外にここまで音が聞こえてくるなんて…いったいどんだけ詰め込んだの…?
「え〜分かんないの?」
そう言ってキッツは口をとがらす。
「分かる訳ないでしょ?で、何て言ったの?」
少しだけ乱暴にフォークでウィンナーを刺す。
「いや、今日出かけるんでしょって言ったんだよ。」
なるほど。言われてみれば…そう聞こえなくも…無いかな?いや、無いと思う。そういう事にしとこう。なんとなく負けるような気がするのは嫌だ。
「で、何買いに行くの?」
当たり前のように聞いてくることにイライラする。
「あぁ、適当に色々と。欲しいと思って買ってないものも多いし。まとめて、ね。」
パンにジャムをつける。キッツ特製のノイチゴのジャム。
「ふぅん?なら俺ついて行こうかな?」
「へっ?」
手元でべちゃ、と音がした。
「だって、そんな買い物ならどうせたくさん買うんだろ?」
「う、うん。まあね。」
たぶんジャムをつけすぎたであろうパンを一口かじる。
やっぱり甘い。
「だから俺、荷物持ち。お前買う時はほんとに買いまくるしな。」
ほほえむキッツに感謝したいやらムカつくやらなんて反応していいのか分からない。
  …だって、私はアンタの『幼馴染』かつ『友達』なんでしょ。
なあんていうひねくれた感情が感謝の中に混ざっている。
「んじゃ、行ってくるから〜。勝手に家の掃除とかしないでよ、いい?!」
散々ついてくると言ってきたキッツに留守番をしなさいとキッツイ口調で厳命したのち家を出る。もともとこの買い物はキッツへのイライラの憂さ晴らしでもあるのでついてこられてはひとたまりもない。
「…どうせ言ったって掃除しちゃってるんだろうなあ〜。」
キッツがミイネの言ったことなんて聞いたことがないのだ。
  さあて、何買おうかな〜。とりあえず食材は絶対に買わなきゃだし、あっでも他買うならそっちは後回しの方がいいかな。服も久しぶりに買いたいし、アクセサリーとかものぞいてみたい。あ、キッツに誕生日プレゼント買わなきゃ。

 キッツの誕生日まであと三日もない。昔はキッツが喜んでくれるのがうれしくてキッツよりもミイネの方が実は誕生日を心待ちにしていた。
  告白しようとか思ったりもするけど……できないんだよね〜。…だって怖いじゃん!フラれたらどうしようとか、誕生日なのにキッツを悩ませるんじゃないかとか、私のこと嫌いなのにずっといやいや世話焼いてくれてたんだとか知っちゃったりとか!!
 こういう次第である。
  という事で誕生日告白大作戦!!的なものは廃止!!いつも通りキッツを祝う方針で。さあてプレゼントかあ…プレゼント…プレゼント…エプロン!いやそれは去年渡したよね。
 付き合いが長いとプレゼント選びも一苦労だ。
  手作りとかもしたいけど…アイツ人がせっかく作ったのに壊したら嫌だとか言って使わないのよね…。
 キッツは比較的真面目でナチュラルなものを好む傾向があり、ミイネもそれに合わせている。ちなみにここ最近のプレゼントはエプロン、お鍋、三角巾、お玉である。
  
  最近アイツお菓子作りにもはまってたのよねえ…泡だて器っ!ってちがう。そろそろキッチン関係から離れなきゃ…。………!マフラーとかいいかも!今は夏だけど、冬に使うのをプレゼントするのもいいかもしれない!

「あの〜マフラーってありますか?」
にっこり、とにこやか過ぎて怖くなる笑みを浮かべてミイネは店員に質問する。
「ああ〜マフラー…は…ちょっとぉ〜無いかな。ほら、今夏だし。マフラーよりもこれなんかどうだい?きれいな柄の扇子だろう?今なら安くするよ〜。」

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