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無能王子と愉快な仲間たち
官能リレー小説 - ファンタジー系

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無能王子と愉快な仲間たち 5

「いいえ!出て行きません!」
ルシアはアーサーに詰め寄って言った。
「な…何だとぉ!?」
時にはふざけたりする事もあるが、だいたい常に従順だったメイドの突然の反抗に思わず及び腰になるアーサー。
「アーサー様!今日という今日は言わせていただきます!いい加減に目をお覚ましください!」
「ぼ…僕は起きているぞ…」
「そんなベタなボケいりません!心の内面的な話をしてるんです!アーサー様、あなたは物語に没頭する事で現実から逃れようとしてるんでしょう?物語を読んだり書いたりしている間だけは何もかも忘れられるから…」
「ち…違う!!僕の創作にかける情熱は決してそんな物では…!」
「マチルダさんから聞きました…。現実の女性には興味が無いそうですね…」
「あ…ああ!そうさ!現実の女など、ホクロから生えた毛ほどに興味も無い…!」
「なら、私も…アーサー様にとっては何の魅力も無い存在ですか…?」
その時、ルシアの声のトーンが変わった。
「へ…?」
思わず声が裏返るアーサー。
次の瞬間、アーサーは我が目を疑った。ルシアが自らのメイド服の襟元に手をかけ、プチ…プチ…とボタンを外し始めたのだ。思いのほか豊かな胸の谷間が露わになる。
「な…なな…な…何をしている!!?ルシア!!気でも狂ったのか!!?」
「……正気です…」
ルシアは顔を真っ赤に染めながら、両手を後ろに回してエプロンを外した。その下に着ていた黒いワンピースも、靴も、靴下も、そして下着まで、あれよあれよと言う間に脱ぎ捨てて彼女は生まれたままの姿となった。
「あ…ああ…」
アーサーの目はルシアの美しい裸体に釘付けだった。彼は固まっていた。無理も無い。生まれて初めて女性の裸を目にしたのだ。
ルシアは恥ずかしそうに胸と股間を手で隠しながらアーサーに歩み寄り、上目使いで彼を見上げて言った。
「お兄ちゃん…」
「…ルシア!!そ…その呼び方は…!」
実はルシアの母はアーサーの乳母であり…すなわち、アーサーとルシアは同じ乳で育った乳兄妹(めのときょうだい)の間柄であった。ゆえに二人は幼い頃から共に過ごし、お互い実の兄妹のような感情を抱いていた。
「お兄ちゃん」というのは幼い頃のルシアのアーサーに対する呼び方である。
「そ…その呼び方は止めろと言ったはずだぞ!」
「うん、覚えてる…。10歳の時だったね…『僕達は兄妹じゃないんだから止めろ』ってお兄ちゃんに言われたの…。私、あの夜、一晩泣き明かしたんだよ?お兄ちゃんが急に遠くに行っちゃったような気がして…寂しくて…」
ルシアは潤んだ瞳でアーサーを見つめる。
「た…だから止めろと言ってるだろう…」
咎めるアーサーの口調が次第に弱くなっていく。
「お兄ちゃん…昔した約束、覚えてる?」
「約束…?」
「うん、大きくなったら私をお兄ちゃんのお嫁さんにしてくれるって約束したでしょ…?」
「…忘れた…」
「私は覚えてるよ…今も…」
そう言うとルシアはアーサーの手を取って自らの胸に当てがった。
「な…っ!?」
「お兄ちゃん、解る…?私の胸、お兄ちゃんを想ってこんなにドキドキしてるんだよ…?」
「ル…ルシア…」
「お兄ちゃん…」
次の瞬間、アーサーの口はルシアの唇によって塞がれた。
「ちゅ…んん…ちゅぱ…」
ルシアの舌がアーサーの唇を割って口内へと侵入して来る。舌と舌が絡み合い、二人の唾液が混じり合う。唇を重ね合わせながらも、それぞれの手はお互いの体の各所を愛撫している。
アーサーの右手がルシアの豊満な乳房を揉みしだく。持ち上げてみると思いのほか大きく、ズシッとした重量感がある。手の平で包み込むように掴むと、手に丸く柔らかな感触が感じられた。

「リーザよりも大きいのか?」
「それは……でもお兄ちゃんが爆乳好きになったのは乳母であった私の母が原因なのよね」
リーザとはルシアの母親であり同時にアーサー王子にとってはある意味実母よりも縁がある女性だ。彼女の夫は行商人であったが流行り病で旅先で死亡、その頃にルシアを出産している。女手一つで育てても彼女が幸せになる保証はない……橋から身を落とそうとしたまさにその時に近衛騎士長が引きとめ、乳母として王に紹介した。
「……あの後はお暇を貰って宿屋を開いたけど、私は、その……お兄ちゃんがこのまま変になったら……だから私ね、お父さんの友人の伝手で……」
ポケットから出された小びんを見てアーサーは驚く、それは極東の島国の秘薬……爆乳剤、時には死に至らしめる事もある。
「飲んでいたのか?」
「時々……苦しかったけどお兄ちゃんに振り向いて貰えるのなら……」
そこまでして……アーサーは叫ぶ。
「バカ、死んでしまったらどうする!」

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