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ヲタクエスト
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ヲタクエスト 8

「何で僕ばっかりこんな目にぃぃぃ」
しかし、そうやって動けないでいるブタオに声を掛けるものがあった。
「どうした? 我を目覚めさせた割には、思いの外に度胸の無い奴だな」
「ふぇ?」
ブタオが目を開けると、その前には先ほどのオークのような姿をした男がいた。だが、素人目にもあんな雑魚とは格が違うのが分かる。しかし、不気味なことに、その体は半透明に透き通っている。
「ば、化け物ぉぉぉぉ!?」
「話が進まん! 落ち着け!」
気絶しそうになるブタオをオークが叩くと、ブタオの心はみるみる落ち着いて行った。
「こ、これは……?」
「まずは感謝するぞ、よく俺を封印から解放してくれた。俺の名は、キーモ=ブータン。偉大なる邪神に仕えるオークの神だ。もっとも、肉体を失って大したことは出来ないがな。それにしても、どうやってこの封印の地に入った? 強力な結界が張ってあって、余人には踏み込むことすら叶わんはずなのだがな」
「さ、さぁ……?」
ブタオはあずかり知らないことがが、その結界はこの世界に属するものにしか効果は発揮しなかった。そのため、異世界からやって来たブタオにはなんら効果を及ぼさなかったのだ。
「要領を得ん奴だな。まぁ、良いだろう。俺を解放してくれた礼だ。俺に出来ることなら、どんなことでも1つ叶えてやるぞ」
キーモは深いことを考えるのが苦手な性質らしい。ブタオの様子を見てあっさり切り替える。
だが、ブタオの反応は違った。
「本当に……何でも……?」
「おう、もちろんだ。まぁ、俺に出来ることに限るが……」
そこまで言われて、ブタオに選択肢など無かった。
十数年間抱え込んできたコンプレックス、世の中への憎悪、それを一気に打ち払える機会なのだ。
「ぼ、ぼくに……」
「ん? 聞こえんぞ?」
「僕にどんな女でも犯すことが出来る、強い力を下さい!」
万感の想いを込めて、叫ぶブタオ。
その言葉にニヤリと笑うキーモ。
「たやすいことだ。そして何より、お前から感じた想いは、嫌いじゃない」
そう言って、ブタオの頭に手を差し伸べるキーモ。
「なら、これから俺はお前に融合させてもらうとしよう。そうすれば、お前にオークの如き強靭な力と、俺の持つ女を自在に操る魔力が備わる。肉体を取り戻すにも、お前の執念のパワーを浴びてた方が都合が良さそうだ」
そう言われて、ちょっとビビるブタオ。
「僕のこと、乗っ取ったりしませんよね?」
「んー、お前のことを乗っ取ると、俺は弱くなりそうだからやらん。恩人だしな」
言われてほっとするブタオ。
「じゃ、行くぜ」
そう言うと、先ほどの復活とは打って変わって静かに、キーモはブタオの中に入って行った。
あまりにもあっさりしている上、肉体的に変わったような気配も無いので、不安になる位だ。

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