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ヲタクエスト
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ヲタクエスト 1

「おいブタオ!ちゃんとタバコ買って来たかぁ〜?」
「ギャハハハハ…!!」
「う…うん…氷室くん…」
ある高校の体育館裏、いかにもオタクといった風貌の太った眼鏡の少年が3〜4人の不良に囲まれて縮こまっている。不良達のリーダー格は氷室と呼ばれた金髪にピアスをした少年。昨今どこの学校でも見受けられる典型的なイジメの光景である。
「あんだよコレ!?銘柄違うじゃねえかゴラァ!」
氷室は大声で怒鳴りながらブタオと呼ばれた少年の腹に蹴りを入れた。
「ブフウゥッ!!?」
ブタオは名の通り豚のような声を出して倒れ込む。
「ギャハハハハ…!!」
「いま『ブヒィ〜』っつたぞコイツ!!」
「マジうけるんですけど!!」
周囲は爆笑の嵐だ。
だが次の瞬間、信じ難い出来事が彼らの身に襲いかかる。
地面の上で腹を押さえてヒィヒィ苦しみながらのた打ち回っているブタオの周りの地面が急に強い光を放ち始めたのである。
「え…!?」
「な…何だよコレ!?」
「うわあぁ〜!!」
不思議な光は瞬く間にブタオと不良達を飲み込み、そして消えた。


「…ど…どうなってんだ…?」
氷室は信じられないといった口調でつぶやいた。光に包まれたかと思った次の瞬間、彼らは全員どこかの森の中に立っていた。
「おいこらブタオ!!テメェ一体何しやがったんだゴルァ!?」
不良の一人がブタオの襟首を掴み上げて問い詰める。
「ひいぃ〜!!ぼ…僕何もしてないですぅ〜!!」
「だってあの光テメェから出てたじゃねえかよ!?ぶっ殺されてえのか!!」
また別の不良は辺りを探り始めた。
「しかし一体どうなって……うわあぁぁぁ!!?」
「ど…どうした!?ヤスオ」
「あ…あ…ああ…」
ヤスオは茂みの向こうの何かを指差してガタガタと震えながら後ずさりして来た。ガサガサと草むらが音を立てて動き、ソイツは姿を現した。
「「「ギャアアァァァーーーッ!!!?」」」
全員が絶叫した。そこには豚の頭に人間の身体を持った怪人が先端にトゲの埋め込まれた木の棍棒を持って立っていたのである。それはファンタジーなどで良く出て来るオークという鬼にそっくりだった。
「おいブタオ!!あれお前の仲間だろ!?何とかしろバカ!!」
氷室はブタオの両肩を掴んでオークの方に向かって押し出した。
「む…無理無理!!絶対無理ぃ!!」
泣きながら首を横に振るブタオ。
「テメェ!!ブタオのクセに…!!」
氷室はブタオの顔面にパンチをお見舞いしようと殴りかかった。だが、その時…

グシャッ 「ブギュッ!?」

何かが潰れるような嫌な音と間抜けな声が聞こえて来た。
「ヤスオおおぉぉぉ!!?」
ヤスオはオークの棍棒に頭を叩き潰されて、つっ立ったまま絶命していた。真上から叩き潰された頭部は完全に両肩の間にめり込み、残された身体はビクビクと痙攣しながら股間から汚物を垂れ流していたが、オークが棍棒を持ち上げると、支えを失ったかのようにバッタリと倒れた。
「え…?え…?」
「うわああぁぁぁ〜〜!!!!」
それを見ていた一人は未だ何が起きたか理解出来ずに立ち尽くし、もう一人は絶叫して脱兎の如く走り出した。
「クソォ…ッ!!」
「おぶふっ!!?」
氷室もブタオをオークに向かって突き飛ばすと一目散に逃走した。
「グオォォッ!」
オークは自分に向かって来るブタオを殺そうと棍棒を横に振るった。
「ぶぎゅう!!?」
だがブタオはヤスオの死体に足を取られて転倒する。代わりに犠牲になったのは、さっきから逃げる事も忘れて立ち尽くしていた少年だった。
「え…?何……グギャアアァァァッ!!!?」
彼は脇腹に横から打撃を受けて身体が“く”の字に折れたまま吹っ飛んで行った。
ドオォォンッ 「ゴハアァ…ッ!!?」
彼は木の幹に思いっきり身体を叩き付けられて絶命した。
「はぁ…はぁ…」
ブタオは痛む身体を押さえながら立ち上がる。目の前にはオーク。逃げねば殺られると思った。
「うわああぁぁぁ!!!?離せぇ!!離せよおぉ!!」
その時、あらぬ方向から悲鳴が聞こえた。逃げた少年が別のオークに捕まっていた。オークは複数いたのだ。オークは左手で少年の身体を掴み、右手で頭を掴んでいる。オークは右手に力を込めていく…。
「ひいぃぃぃ!!?い…痛い!!痛いぃ!!!痛いよおぉぉ!!!?だずげでえぇぇ!!!!」
少年は泣き叫びながら氷室に助けを求める。
「うああぁぁぁ〜〜〜っ!!!!」
氷室は仲間の声に背を向けて逃げた。だが誰が彼を責められるだろうか…。
「アギャアアアァァァァ…ッ!!!?」 ボキリッ
少年の断末魔と首の骨が折れる音が森の中に響き渡った。

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