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ヲタクエスト
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ヲタクエスト 31


「どうじゃ!?ブタオは大丈夫か!!」
そう聞くシャルロッテにエレーナは答える。
「…大丈夫なようです。」

「滅茶苦茶…滅茶苦茶痛かったでしゅ…」
火に包まれた手にふうふうと息を吹きかけるブタオを
皆が信じられないようなものを見る目で見つめている。
ブタオの手はほぼ無傷であった。わずかに赤くなった程度だ。
燃え盛るガソリンに手を突っ込んでその熱に耐えるような、そんな事が起きたのである。
「すっげえなあ…ブタオ様…」
ラシャのそんな呟きがその場にいる全員の意見を代弁していた。

「はわわ〜?ブタオ様って魔力耐性の体質でもあるんですかねぇ〜?(流石は食えるギリギリで不味い弁当普通に食う豚…)」

グレーテルはグレーテルで相変わらず心の声で毒を吐いているが、流石に表向きは諜報部出身らしい分析だった。
まず魔術の才覚がある人間にはそうした傾向が強く、更に一般人でも数千人に一人の割合でそうした人間の確認はされていた。

実の所こればかりはキーモ・ブータンの力ではなく、理由は至極簡単。
ブタオが魔力という概念がない世界の人間故に、魔力による効果が薄いのだ。

「…って…ぶしゃあああっ?」

今のドタバタで焚き火から地面に転がった、マッチ棒サイズの燃える小枝を握ってしまい、ブタオは再び転げ回る。
こうして反対に通常の炎なら普通に火傷を負う模様。

オークの神との融合を果たしたとはいえ
元が一介の高校生であるブタオでは神話の英雄たちにはまだまだほど遠い。
とはいえこのあとエレーナに甲斐甲斐しく火傷の薬を塗ってもらい
「ついでにもっと塗って欲しいところがあるのでしゅが」と
粘ついた笑みを浮かべて迫るあたり、ブタオは人間並でもないのであった。

「あらん?今はいい子にしてて下さいねブタオ様?」
「ぷぎゅ!むひゅう?」
「そしたら後でたっぷり可愛がってア・ゲ・ル。」
「わわわわ!わかりましゅたぁ!」

ブタオの耳元に粘りを帯びた甘い吐息、脂肪で垂れ下がった福耳に、舌と唇の触れるか触れないかの加減。
冗談みたいな巨乳に加えて恋愛不慣れな年下男子の扱いに長けたエレーナ。

二次元脳で生身の女なんぞ云々、処女以外は全員ビッチ、二十歳以上はBBA。
などと日頃から吠える割にそれなりの女性からの言葉には全面降伏、ブタオはヲタクの中でもそうした部類である。

そして彼の萌豚脳は昼食後の行動計画を軒並み聞き流していた中でも、午後からの馬車担当がエレーナである事ぐらいは記憶していた。
楽しみににやけた面で出発の為の片づけをしながら
早くもブタオの股間は大きく膨らみ始めていた。


「そうです。タイミングを合わせて…」
午後の行程の始まりと共に御者となったエレーナにブタオはぴったりとくっついていた。
というよりブタオにエレーナが後ろから抱きつくようにして寄り添っているのだ。
手綱を取るブタオの手にエレーナは手を重ね、御者の技をレクチャーする。
魔物の危険性が少ないこの森にいるうちにブタオには訓練が必要だ。そうエレーナが申し出たことで始まったこの特訓。
ブタオの脳はすでにきれいなお姉さんとの密着によって茹で上がっている。
それを百も承知なエレーナは、半ばわざとブタオを昂らせている。

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