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ヲタクエスト
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ヲタクエスト 30

一応は雑用の合間という都合から短時間で済ませる気だろう。
小柄なラシャのギリギリ挿入可能な狭さに加えて何より元々が早漏のブタオ、魔力も加えて二人が一発抜く程度にさして時間はかからなかった。

「…よがぁ…ほんなこつよがぁ…ブタオ様もぅ…ほれぇ?」
「ははははは…発射オーライっ…ぶひぃいいいいいいっ!」

事を終えて…ラシャがその辺から引っこ抜いた草や葉っぱをクシャクシャ丸め、ティッシュがわり股座を拭う姿にブタオはまた文化の違いに軽くドン引きした。
宿の汲み取りトイレにはよく揉んだ古紙が置いてあり、それぐらいの文明はあるのかと一応安心していたが、田舎や野外ではこんなもんらしい。

ブタオが見よう見真似で処置する間、ラシャは即席の背負子(しょいこ)に夜の薪木を積んでいた。

小枝に吊した棒磁石で北はあっち!とシャルロッテが微笑ましいドヤ顔を見せていた。

「昼食にしましょう、ブタオ『殿』。」

本命であるオフィーリアとエレーナは方位・座標の特定も終わっていた様で、ブタオの元にコンパスを返しに来た。

手近にいたクリスのくすぐったい耳打ち、呼び方が(一時的に)ブタオ様からブタオ殿に変わった理由は至極簡単。
誰が聞いているかわからない状況、表向きブタオは用心棒としての範囲で敬意を払う、という話。

それよりもブタオが驚いたのは用意された食事、干物の類かと思いきやサンドイッチと総菜パンの中間みたいな代物と焚火で暖めたスープだ。
ブタオの知らなかったミリヲタ知識、長距離行軍でも状況が許す限り『常食』に近い弁当や野外調理で栄養をまかない『保存食』を後回しに温存するという常識だ。
ミリタリーだけでなくファンタジー路線でもそうした表現はよく使われる。
ファンタジー通を自負しているブタオの読み飛ばしていた部分の知識だ。

精々知っていたのはポーションと回復魔法と上手に焼けました的な肉。
先日クリスの寄越した干し肉も深く考えずガッついてたぐらいである。

まぁ安定のブタ野郎がそうした無知を反省する筈もなく、薪木拾いという重労働(笑)の後で空腹だ。
昼食後に進める所まで進み夕食以降は保存食と現地調達の併用。
そして野営後にはまた中継地の町を目指す計画…という話もあまり聞こえていない。

とりあえず目の前の弁当、宿の朝食と同じくほぼ野菜ばかりだが分量だけは十分にあった。
今回の弁当はクリスが宿の厨房でこしらえたそうで何故か皆、微妙な表情をしていた。

「ぶひゅ、おいしいでしゅ。」
もっとも舌も豚並なブタオだけはさして気にもせず
女の子の手料理と一人盛り上がり、がつがつと食べていく。

食事の為に使う道具はブタオのいた世界とそう違いはない。
むしろブタオが興味を持ったのは焚火の為の着火器具だった。
大きさは手のひらサイズ、見た目はスキットルに似ている。
これもクリスが使ったゴーレムの様な魔法道具の一種だ。
なにやらライターのようなものらしく、騎士たちは各自これを携帯していた。
ファンタジー世界らしい道具を太い指で弄繰り回すブタオ。だが
「はへ?」
火が噴きだす口になっているからゴロッとビー玉サイズのものが転がり落ちる。
次の瞬間、それはブタオの手のひらの上で猛烈に燃え出したのだ。
「ぶひいいいい!!!」「ブ、ブタオ殿!?」

慌てて近くにいたクリスが石を叩き落し、グレーテルが土をかけて消火する。
オフィーリア達は馬車から医薬品を取り出してブタオに駆け寄った。
「ブタオ殿お気を確かに!!」「ああ、なんてことだ!!」

その石は俗に「炎の魔石」などと呼ばれるような代物
この世界では石油の様に日用品にも兵器にも使われるものだ。
火力を考えればブタオは手を失う羽目になってもおかしくない。
痛みと驚きで転げまわるブタオをエレーナが押さえつけ、その手を見る。




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