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ヲタクエスト
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ヲタクエスト 28


見た所グレーテルはシャルロッテを守り
オフィーリアとエレーナはブタオのコンパスを頼りに地図を読んで今後について話し合い
クリスは馬たちの世話をしている。残るは…

「ブタオ様に手伝ってもらえるなんてなんだが畏れ多くって」
「フヒ、いやいや僕も働かなくちゃね。」
ブタオは火を焚くために薪を集めるラシャについて行く。
五人の女騎士の中でも最年少、ブタオとそう変わらない年頃のラシャだが
口を動かしながらも手はテキパキと動き、薪にちょうど良い木々を集めていく。
「ラシャちゃん早いでしゅね。」
「いんやこういうのは昔っから慣れっごですから…」
ラシャの故郷は王国南部の鄙びた村。ラシャも幼いころから働く必要があったらしい。
軍に入ったのもその辺りの事情があるそうだ。
彼女の村はまだマシな方、末っ子が12歳ぐらいの年頃で出稼ぎか正規軍に志願して一兵卒から立身出世を狙う、という選択肢があった。
酷い所なら男児女児問わず場末の傭兵団か娼館、奴隷市に売却。

マシな方でも他の女騎士と比べて貧しかったには違いない。
実年齢と比較して小柄細身に慎ましい胸や尻の膨らみ、それだって幼少期の食生活による物だ。

ブタオはそうした理解なぞ欠片もなく『ぶほぅ…JC体型ハァハァ』などとニヤニヤしているのであった。

矢先、木陰から現れた小さな蛇に驚き「はやっ?」と可愛らしい悲鳴を上げるラシャにまたニヤニヤ。
正直、蛇を初めて見たブタオは軽くビビっていたが、それとなく蛇を追っ払って男らしさアピールなどと考える。
しかしそれよりも早くラシャの右手が閃き、蛇の首根っこを捕らえていた。
そしてHBの鉛筆をベギィッとヘシ折るよりも容易く蛇の首を引きちぎるなり、まだビクンビクン痙攣している胴体を絞って血をすする。
それが終わると胴から皮を剥ぎ背骨を抜き、満足そうな表情で生肉にかぶりついた。

ブタオは理解した、さっきの悲鳴は『怖い』じゃなくて『旨そう』だったんだ、と。
自衛隊の訓練映像や、どこぞの悪役仮面ライダーだって焼いて食ってたのに、問答無用の生食。

「ブタオ様も…食うがぁ…あや…食わねぇよな。」
「れんじゃああああっ?」
「つまみ食い隊長っさに怒られるんで、ご内密に。」
「れんじゃああああっ!」

弱肉強食、一番ヤリ易そうな相手をつまみ食いしようとしていたブタオのアナコンダ、生まれたてで穴蔵に引きこもる青大将が如く縮みあがってしまった…。


「ブフゥ…」
邪な下心もすっかり萎え、ブタオは黙々と薪を拾っていた。
文化の違いはあると思っていたが、まさかああまでとは。
小麦色の南国美人風な容姿のラシャだけに、一層凄惨に見えてしまう。
基本臆病なブタオはすっかり萎えあがってしまったのだ。

もう適当に切り上げてオフィーリア達のところへ戻ろうか…
そう考えたとき脇からひょいっとラシャが顔を覗かせた。
「ちょっとブタオ様に手を貸してもらいたいんだけれども」

「ひゃいッ、喜んで!!」
ブタオが顔を上げると予想外に近い距離に赤らんだラシャの顔があった。
ほどんど触れ合いそうな距離だ。
「んっ…」
そのまま唇が柔らかな感触に塞がれる。
気が付けばブタオは背後の木の際に追い詰められ、ラシャの木についた腕で囲まれていた。
「ブタオ様…ちょっといい事しねえが?」
ここまで逃げ場のない状況になって鈍いブタオはようやく理解する。
弱肉強食。自分は食われる側だと。

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