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ヲタクエスト
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ヲタクエスト 25

姫を背に守りブタオへ剣を捧げる一同。

各々が部屋着姿、ラシャなぞ体操服の様な肌着姿、お色気担当エレーナに至っては、裸の上に男物シャツ一枚だ。
正装に程遠い雑然とした着衣にも関わらず、抜剣し体と垂直に刃を捧げた姿に、ブタオは数千の武装兵で囲まれたかの様に気圧された。

そして自分への敬意を示している筈なのにその威圧感でブタオは『ぷぎっ』と小さな悲鳴を上げ、身をすくめた。
それを女騎士達は勝手に上手いこと『答礼』と勘違いしてくれた様子で気を付け〜休めの姿勢を取る。

「よさんかお前達、ブタオ様は勇者であって軍人ではないのだぞ?」

シャルロッテは揚々とソファに腰を落ち着けたまま宣う。
ここで『軍事教練を受けてないブタオに敬礼は解らない』と直に言って恥をかかせぬ為の気遣いだろう。

更にブタオの知らぬ所、敬礼・答礼は忠誠心や上下関係のみならず、敵味方の判別という意味もある。
挙手の敬礼も、私を敵だと思ったら殴っていい、という動作が原型だ。

今回は敵と見なされたブタオが殺されるか、味方に認められないと誤解した女騎士達が自害するシナリオすらあり得た。

シャルロッテの前でブタオは、心臓の右左もわからないぐらいの馬鹿に見えただろうと無知を恥じた。

ブタオも平均的なヲタクとして中坊の頃に厨房なライトノベルは散々読み漁り、特にこういう世界は予習済みの積もりだった。
実の所とりあえず理解していたのは本当に大まかなファンタジー観のみ。
あとは偉そうにキャラ叩き、作家とアニメ化の批判をしていたぐらいだ。

とにかくここは少々格好良く挽回せねばなるまい。

女騎士達がシャルロッテの命令で思い思いに姿勢を崩すと、ブタオは小さなテーブルを挟んだシャルロッテと対面のソファに座る。
そのハッタリさながら戦争大好きのデブ少佐に見えるだろう。

「まずはシャルロッテたんを送り届けて皆の鼻を明かそう、表向きの命令書?通りにね!ぶひ!」

ブタオの根拠なきドヤァな自信、その鼻息に一同は感嘆の眼差しと共にうなづく。
気を利かせたラシャがテーブルの上に地図を広げ、ブタオはそこへラ○ボーナイフの柄から外したコンパスを乗せる。
キーモ憑依後からこちらの字や地図は読める、ブタオは皆と意見交換する中で違和感に気づいた。

「ぷひゅ?目的地までの経路って!街道そのまんまじゃん?」

そりゃ狙われる、軍ヲタ知識は門外漢なブタオにも半笑いで理解出来た。


副長エレーナが、何気にオフィーリアよりたわわな乳房を腕組み持ち上げながら補足する。

「道中支援に付く私達配下の魔術師や錬金術師の同行や、満足な機材貸し出し許可も出なかったんです。」

それで東西南北は天測頼り、結局は街道を…という話に更なる違和感、天測。
試しにブタオはコンパスの赤い針が示す方向を指差し確認。

「北はあっちだ。」
「そう、ブタオ様ならば南を北に変える程の名君として…。」

オフィーリアが見当違いな事を言い始めた矢先、ラシャが窓から月と星座の位置を確かめ『隊長っさ北あっち』と何故か震える指先でブタオと同じ方角を示した。

「ぶふふ…こんなん磁石で解…。」
『えええええぇ〜っ?』

ドヤ顔しかけたブタオを六人前のおっぱいちっぱい、いや黄色い驚愕の絶叫が取り囲んだ。

ブタオは皆を落ち着かせ、磁石という物についてそれこそ小学生レベルで説明する。

「ブタオ様ぁ魔法使いがぁ?」
「錬金術…じゃないかな?」
「元彼が学会で似たような発表したけど、誰も信じてくれなかったって…。」
「あの不潔で貧弱な坊やの話か?しかしブタオ様までもああ言うなら…。」
「うむ?ニホンとやらは錬金術の大国なのだな。」

ブタオのドヤ顔にざわめく五人の異世界女子。
って、あれ?一人足りなくない?

「ぶひぎゅいいあぁ?」
「てめぇ…猫被ってやがったな…どこのスパイだ?」

地獄の底から響く老婆のようなしゃがれ声、背後から組み付くGカップの正体はグレーテル。
ブタオの顎だか首だか解らない喉元に短刀が食い込み、きわどい握力で魔力の源たる睾丸を掴まれていた。

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