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ヲタクエスト
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ヲタクエスト 15

エレーナと呼ばれた女騎士は青い顔をして震えていたが、やがて意を決し、ゆっくりと剣をオフィーリアの背に向けて構えた。

「イヤアァァァァァァッ!!!!」

シャルロッテが再び泣き叫び、暴れ始めた。
その身体をしっかりと押さえながらオフィーリアは叫んだ。

「エレーナ!やれ!」

「で…出来ません!」

「やれと言ったらやれぇっ!!隊長命令だぞっ!!」

「くぅ……お許しを…っ!!」

エレーナはオフィーリアとシャルロッテの身体に剣を突き立てる…

その直前。

バタアァァー―――ンッ

「テメェらあぁぁぁ!!!!何してやがるうぅぅぅぅ!!!!?」

「「「ブ…ブタオ!!?」」」

勢い良く扉を蹴り空けて部屋の中に転がるように飛び込んで来た丸い人影…そう、ブタオだ。

「うらぁ!!」

バシッ

「う…っ!?」

ブタオはその巨体からは想像も付かないような俊敏さで真っ直ぐエレーナに駆け寄ると彼女の頬を平手で張り飛ばした。
グーにしなかったのは彼の優しさである。
女騎士達が呆気に取られている中、ブタオは今度はオフィーリアとシャルロッテを無理矢理引き剥がしにかかった。

「ブフゥー――ッ!!!!シャルロッテたんを離せえぇ!!!」

「貴様こそ離さんか!!!部外者が我々の事情に口を挟むなあぁぁ!!!」

「い…いたたたたたたっ!!!痛い痛い痛い!!二人とも離さぬかぁ!!!」

シャルロッテを奪い合うブタオとオフィーリア。
だが次の瞬間、ブタオは信じられないような行動に出た。
目の前のオフィーリアの股間を思いっきり蹴り上げたのだ。

「う…ぐ…ああああああああああああっ!!!?」

オフィーリアはもうシャルロッテどころではなかった。
床に倒れ込み、両手で股間を押さえて悶絶して泣き叫んだ。

「あぁ!す…すんません、大丈夫でした…!?」

思わず謝ってしまうブタオ。

「…う…うぅ…うぅぅ…」

オフィーリアは答えず、床の上で身体を震わせながら嗚咽し始めた。
めちゃくちゃ痛かったのだ。

「いやぁ…女の人は玉が無いから、男よりはダメージ無いと思ったんですが…って、んな事言ってる場合じゃねぇ!シャルロッテたん!逃げよう!!」

「う…うむ…!」

シャルロッテもさすがに少し心配そうにオフィーリアを見ていたが、ブタオの言葉に自らの置かれた立場を思い出す。

「そ…そいじゃ、お大事に…!」

ブタオはシャルロッテの身体をお姫様抱っこで抱え上げると、唖然とする女騎士達を後目に一目散に部屋から逃げ出したのであった。



シャルロッテを連れて逃げて来たブタオは、とりあえず近くの民家の納屋に身を隠していた。
(う〜ん…とりあえず逃げてきたけど、一体何がどうなってるんだか、話がさっぱり見えない)
しかし、思えば最初から違和感はあった。
自分が死ぬことを当然と思っているシャルロッテ。そりゃあ王族なのだから、時には暗殺者に狙われる事だってあるだろう。だがあれは「自分に殺される理由がある」ことを知っている様子だ。それも、王族であるというだけ以上の理由で。
知ることで深入りしてしまう危険性もあるとは分かっていた。
だが、ブタオは目の前で怯える少女のことをもっと知りたいとも思うようになっていた。
「シャルロッテたん!教えてくれ!なんでオフィーリアさん達が君を殺そうとしてるのかを…!」
「そ…それは…」
口ごもるシャルロッテ。
ブタオは問い詰めた。
「前にシャルロッテたんは“死を望まれてる”って言ってたよね?一体誰が!?それはオフィーリアさん達じゃないだろう!?あの人達も誰かに命令されて嫌々従ってるみたいだったし…」
「…兄上じゃ…」
「…え?」
「…私の死を望んでいるのは、現国王にして我が異母兄、ヨーゼフ・デ・ラ・エルフィーリアス国王陛下なのじゃ…」
「お…お兄さん!?どうして…?」
「兄上の母君は先王…父上の妾でな、なかなか子を授からなかった王妃たる我が母上に代わって世継ぎたる兄上を産んだのじゃ…しかしその後で私が産まれてしまった…ゆえに国王に即位された兄上にとって私は王位を脅かす邪魔者以外の何者でもないという訳じゃ…」
「そ…そんな…たったそれだけの理由で…」
「“それだけの理由”というが、将来この私が政権奪取を目論む勢力に担ぎ上げられて内乱でも起これば、それこそ国にとっては災厄となろう…それを考えれば今この段階で私を亡き者にしてしまおうという兄上のお考えも解る…」

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