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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 266

それ以外は対照的な姉妹であった。
「でさ、大和さん。どこ案内しようか?礼拝堂、女神像、メリツ千年木、どれがいい?」
ラティアが顔を大和に近づけ、笑顔で言った。
「え、えーと。どうしようかな?」
大和がどこにしようか悩んでいると、何かを思い出したようにレシアナが、
「ラティア、もうすぐ夕暮れよ。あの丘に案内したらどう?」
と言った。
「レシアナさん、あの丘って何ですか?」
「メリツ郊外にあるサンエス丘のことよ。夕日が沈むところなんか最高よ。」

と笑顔で言った。
「じゃあ、そこにします。ちょっと待っててください、すぐに仲間達を連れてきますんで」
そう言って軽く会釈すると、大和はレイ達が待つところに向かった。



それからしばらくして、大和・レイ・ジェン・かすみ・セリス・シホにレシアナ姫とラティア姫を加えた一行はサンエス丘に向かった。
「ねぇ王様。あの2人の姫様が先代アルフレド王オウランの娘なのかい?」
サンエス丘に向かって歩いている途中、ジェンが聞いてきた。
「うん、そう聞いてるよ。それがどうかしたの?」
「いや……別に、何でもないよ。気にしないで、王様」
歯切れの悪いジェンに、ふと疑問を抱いた大和。
(……気になることでもあるのかな?)
そう思ったとき、先頭を歩くラティアが、
「みなさーん、もうすぐ丘ですよー」
と、両手を口にかざして叫んだ。
「夕日が地平線に沈むところが見れるなんて最高じゃない。早く行きましょ」
セリスがスキップをしながら丘を登っていく。
丘の頂上に到着すると大和達は地面に腰掛け、沈んでいく夕日をジッと見つめていた。
「綺麗ですね」
シホが小声で呟いた。
「まったくだ。いつまでも見ていたい気になるな」
かすみが後に続いた。
風で木の葉がカサカサと擦れる音が聞こえる。
「こうしてると、さっきまで魔王軍と戦っていたのが嘘みたいですね」
レイが大和の肩に寄りかかりながら言った。
「……そうだね」
レイの膨らんだ腹を見ながら大和が呟いた。
大和は信じられなかった。
この世界にやって来る前の自分は、誰からも相手にされなかったのだ。守りたいと思った人もいなかった。唯一の理解者であった、姉の渚が死んでからは毎日が地獄だった。
それが、今は守りたい仲間がいる。初めて守りたいと思った恋人がいる。
大和はそれが信じられなかった。
大和は寄りかかっているレイの髪をソッと撫でた。

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