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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 187

「はい、僕が直接行って片付けてきましょう。どのような争いでも決して破ってはいけない法があることを教えてあげなくてはね」
そう言い、僕は準備があるのでとヴェイルは退席した。
「…ヴェイルって結構、熱血よね…」
レイラは誰とはなしに言った。


「行きましょうか、スフォルツェン?」
一人の法務管と全身鎧は転送魔法の光に包まれた。


「…やはりおかしい!罪もない村を襲うなんて間違ってる!」
「ふっ…これはメロス様直々の勅令なのよ、テテュス?八枚羽といえ、アーク級がどうこう出来る問題ではないわ」
「しかしっ!」
「そんなんじゃ四枚羽達に占めしつかないじゃない。神に逆らって墜ちたいの?」
「く…」
天使達にとって墜ちることは大変不名誉な事とされ、遥か昔から神には絶対服従であった。
「そ・れ・に獣族はあっちの方も野性的で激しいらしいわよ♪」
「な、破廉恥な!私は正義のためだけに生きるのだ!」
「はぁ…そんなんだから何時までも処女なのよ〜。アーク級で処女なのあんただけよ?」
「フンッ…勝手に言ってろ!」
テテュスはそっぽを向いた。
「まっ、楽しみましょ?」


攻撃の号令が下り、アークエンジェル大隊―500人の天使達が集落へと攻め入った。
「八咫さん、天使達が攻撃を開始しました!」
「くそがぁ!なんで神魔間の戦に巻き込まれなきゃなんねぇんだよ…女子供を優先して避難させろ!男達は獣化して闘え!」
そう言うと八咫は大烏に変身し、空へと飛び立った。


テテュスは悪夢のような光景に吐き気をもよおしていた。
何の抵抗もしていない女子供は無残に殺され、男は襲われていた。
テテュスは目の前で子供に振り下ろされかけていた剣を防いだ。
「何をするんだ、テテュス?」
「…もうやめろ!こんな事は正義でもなんでもない!悪だ!神族など…」
その後を継げようとした瞬間、テテュスへ落雷が落ち、純白の羽が漆黒へと変わった。
「…テテュスが裏切ったわ!堕ちたわよ!」
テテュスに剣が防がれた天使はそう言い、テテュスへと標的を代えた。
「ふ…ふふっ…あはははっ!」
テテュスは狂ったように笑い、持っていた矛をその天使へと突き立てた。
「ぐ…テテュス、貴様ぁ……」
それがその天使の最期の言葉となった。


テテュスは十一人目の元仲間を殺した。しかし、罪悪感など微塵も存在しなく、心は澄んでこの空のようだった。
十二人目の天使からの攻撃で、その天使の命と引換えに持っていた矛は折れてしまった。
その隙に乗じて三人の天使が一度に仕掛けてきた。
(っ!もうダメか…)
諦めかけたその瞬間…
「…滅びなさい!」
神官服に身を包んだ青年の漆黒の矛が三人の天使達を一片に貫いた。
「…あなたは敵ですか?味方ですか?」

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