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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 185

「ああ、神魔戦争の時でしたね…」
……
…………
…………………
「ヴェルナルド・シルヴァ…お前が魔界司法管理軍将軍の任に就くにあたり、魔王様より『冥法皇』の名を与える!」
「ありがたく頂戴致します。魔王閣下、そして補佐役レイナ様…」
玉座に礼を垂れるヴェイル。玉座の横にはレイナがいた。そして、玉座には…
「ふむ…ヴェルナルド。人間が魔界軍幹部になるのは特例だ。しかし…お前にはその実力がある。励め」
ヴェイルへ激励の言葉を授けたのは、漆黒の闇に包まれ、対称的に白い仮面を着けた魔王、その人であった。
「はっ!」
ヴェイルは一段と頭を垂れた。
「では次に…」
「お待ち下さいっ!」
レイナの言葉が遮られた。
「あら、何の用かしら?『元』魔界司法管理軍将軍さん」
その男の名はシムバ。ヴェイルの就任に代わり降格されたデーモンロードだ。
「閣下…お考え直し下さい!私が降格されるのは仕方ないとしましょう。しかし、何故こいつなのです?ヴェルナルドは人間なんですよっ!」
「お黙りなさい!魔王様はそんな事、百も承知です。ヴェルナルドがあなたより強い、ただそれだけです!」
「ではっ…私とヴェルナルド、決闘しこの場でどちらが強いかご覧にいれましょう」
「そのような勝手…」
「よい…許す。魔界軍の中で諍いを起したくはない。だが、敗者には『死』だ」
シムバは戦斧を召喚し構える。
「仕方ありませんねぇ」
ヴェイルは立ち上がった。しかし、構えようとはせず手をブラブラさせている。
「何故、構えん?」
「本気を出すなんて、そんな『弱い者苛め』出来ませんよ」
「貴様ぁ!」
シムバは激昂し斬り込む。
その動きは腐ってもデーモンロード、俊敏で無駄がない。
「猪突猛進…だからあなたは阿呆なんです」
振り降ろされた斧を難なく躱すヴェイル。しかし、地面には小規模のクレータができた。
「馬鹿力め…さようならです。ダーク・エルメス!」
ヴェイルは手をシムバへと翳した。
「詠唱破棄だと!」
「動かない方がいいですよ?動いた瞬間、闇に呑まれますからね…」
「ぐぅ…」
シムバの顔に焦りがうまれる。その時…
トンッ
「おっと、すみません。手が滑りました…」
ヴェイルがシムバを軽く押した。
シムバの身体が傾く。
闇が絶叫をあげる暇も与えずシムバの身体を呑みこんだ。
「申し訳ありません、魔王閣下…つまらない物を見せまして…」
「ふふっ。よい…なかなかの茶番だったぞ?」
魔王も、レイナも、そしてヴェイル自身もシムバの実力を脅威感じていなかった。
「ヴェルナルド、後で話があります。私の部屋に来て下さい」
レイナはそう言うと、次の報告を始めた。

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