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群れなして蠢く美しき屍
官能リレー小説 - ファンタジー系

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群れなして蠢く美しき屍 49


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・・・とまあちょっとしたミニイベントをこなしたところで。
ようやく本来の目的、敵陣視察にやってきた一同は、非常階段の扉を恐る恐る開けて周囲の様子をうかがう。
あたりには敵である女たちの姿は見えない。
どうやら敵は自分の陣地で悠然と構えているようだ。
あの後休憩を取って体力を回復させた誠は、改めて美樹たちにこれからの行動、注意点を話す。

「いいか?今回の目的は敵陣の視察だ。
 間違っても弥生たちを助けようなんて思うな。
 敵に見つかったら援軍を呼ばれる恐れがあるかもしれないから、見つかったときは即撤退。
 計画に何か変更があったら教えるから、今はこの2つだけを絶対に守ってくれ」

誠の指示に力強くうなずく一同。
こうして誠の命がけの敵陣視察は始まったのであった。
――――

「ご主人様っ!ストップ!あそこにまた見張りがいるよっ!」
「またか・・・?今度は『どっち』だ?」
「う〜ん・・・よく、わかんない。こっちからはよく見えなくて・・・」
「・・・たぶん、動かない、ほう」
「え!?葵ちゃん、なんでわかったの!?」
「声、聞こえた」
「私・・・も」

葵の答えに同調するかのように白もコクコクとうなずく。
自分からは人影はおろか声すら聞こえないのに、どういう目と耳をしているのかと誠は感心半分、あきれ半分で紙に何事か書き込み始めた。
敵情視察に出て10分後。誠たちは敵の配置を大体を把握することに成功していた。
これまで集めた情報をまとめると、どうやら敵は2種類の見張りをおいて本陣を守っているようだ。
1つは固定型。これは見張りというより威嚇、バリケードの意味合いが強い連中のことで、これに分類される連中はその場から動かない代わりに仲間同士で乳繰り合っている。
本陣にいる弥生と月と一緒に遊べないことを残念がっていたり、本陣にいるであろう男を思って嘆いていたりといろいろ不満も持っているようだ。
もう1つは自立型。主人に忠実なタイプらしく、真面目に歩き回って見張りをやっていた。
しかしその数は少ないのか、2人以上のチームでいる固定型に対し、こちらは1人でうろついているものばかりだった。
美樹や白たちもH好きなことを考えると、まともそうに見える連中も理性が強いというだけで結構好きものなのかもしれない。
さて情報がある程度集まったところで誠は作戦を考える。
本陣にいるであろう敵は弥生と月を人質に自分たちをおびき出そうとしている。
ならば陽動作戦で敵の本陣をガラあきにしたところを襲うのが一番手っ取り早そうだが・・・。
真面目な連中とそうでない連中がいる以上、見張りが全部動いていくれるとは限らない。
最悪固定型が全員残ってしまうような事態になったら、余計に相手を警戒させてしまうことになるかもしれない。
ではどうやってあの防衛ラインを突破するのか?
誠は少し考えた後、美樹・葵・白の3人にある指示を飛ばした。

「おまえら。真面目に歩き回ってる見張りを1人、適当にさらってきてくれ。
 そいつをたらしこんで中から引っ掻き回してやる」

自立型とは言え、彼女らも美樹たちと同じように全裸で歩き回っている以上、連中も学校にいた連中と同じようにおかしくなった女である可能性が高い。
ならば彼女らの性欲の強さに付け込めば、戦闘せずに弥生たちだけを救出できるかもしれないと踏んだのだ。
敵の性質をよく観察したうえでの見事な作戦。
しかし3人は不満そうな、あるいは悲しそうな顔をするばかりで一向に動こうとしない。

「お、おいおい・・・!?何、恨めしそうにこっち見てんだよ!?
 さっさと適当なヤツを捕まえて来いって!」
「・・・ご主人様。また、新しい女を囲うんですか?」
「ひどい、です。私、たち、一生懸命、がんばってる、のに」
「・・・は?」
「ご主人様、ただでさえHしてくれないのに・・・」

口々に文句を言う美樹たちに誠は絶句した。
彼女たちは事もあろうに、これからたらしこもうとする女に嫉妬して動こうとしないのだ。
これは弥生たちを助けるために必要不可欠なステップなのに。
それほど自分とSEXしたいのか。
あきれるほどの淫乱ぶりに夏樹は怒りを通り越してただただあきれ果てた。
だがここで言い争っている場合ではない。
こうしている間にも人質となった弥生たちがどんな目に遭わされているかわからないのだ。
早く美樹たちに動いてもらわなければ。
誠は大きなため息を1つついて、美樹たちに妥協案を提案した。

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